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BIツールでNotionデータをフル活用:【連載】Notionでタスク管理&モチベーションアップ!:第2回

こんにちは、アタラ合同会社コンサルタントの川田貴俊です。

前回の記事ではNotionを使ったタスク管理と、それをチーム内でどのように運用しているかをご紹介しました。

連載第2回の今回は、NotionのデータをDomoに取り込んでダッシュボードにしたものをご紹介し、どのように活用しているかをご紹介します。

こちらがダッシュボードの全体像です。

それぞれのカードが何を表しているかを下図に示します。


Notionの“データ”を活用しつくす

Notionで記事執筆の状況を管理してみて、表形式に比べてとても直感的に操作できると感じました。しかし、日々の業務の中でBIツールを使っていると、

  • データの可視化(グラフ化)・分析をしたい

  • 他のデータと掛け合わせて見たい(記事×PV数)

という要望が出てきました。

データの可視化・分析

第1回でご紹介した通り、ボードビューを使ってタスク管理と状況共有ができるのはNotionを使う大きなメリットです。週次の定例などで定期的に状況を共有する際には便利な使い方でした。

しかし、ある程度まとまりのある“過去の蓄積”を見たいときは、棒グラフや折れ線グラフ等を使った方が見やすいです。また、いろいろな軸をかけ合わせて角度を変えながら見てみたいという要望もありました。2022年12月時点、これらはNotionの標準機能ではできないようです。

他のデータとの掛け合わせ(記事×PV数)

記事執筆というタスクの特性上、“どれだけ見られているか=PV(Page View)数”は分かりやすく、かつモチベーションを上げてくれる指標です。Domoには記事ごとのPV数を毎日蓄積しているので、このデータは上手く使いたいと当初から考えていました。

Domoの数字をNotionに転記するというやり方もなくはないですが、そこには手間をかけず、自動化したいところです。

これらができなくても十分すぎるほど便利なツールであることは間違いありませんが、どうしても上記の点が目についてしまいます。そこで、普段から使い慣れているBIツールにデータを連携して、見たいものを全て確認できるダッシュボードを作ることにしました。

ダッシュボードにする目的(何を見て、どんなアクションを起こすか)をまとめると、下記になります。

  • 執筆数の累積を見て、自身とチームの努力を再確認する

  • その内訳として各個人がどれだけ執筆したかを見て、競争意識を持つ

  • PV数を見て、次の執筆への励みとする

なお、日々の業務の中でNotionとDomoを使う頻度で比べるとNotionに軍配が上がります。ですので、執筆状況の管理はNotionで、可視化(ダッシュボード化)はDomoで行い、そのダッシュボードをNotionに埋め込んでNotion上で確認できるようにしています。

※補足1
このようにデータを一つの場所に集めることを、“データを集約する”、“データの一元化”などと呼びます。集約そのものが意外と手間だったりするのですが、集約・一元化されていると、データの活用が格段にしやすくなります。地道ですがとても重要な仕事になるので、データを扱うすべての人に知ってもらいたい心構えの一つです。

※補足2
私は「データがあると可視化したくなる」、「ダッシュボードのように必要な情報が一目で理解できるようになっていないと気持ち悪い」と考えてしまうのですが、これはもう職業病なのかもしれません。上でもっともらしい理由を述べてはいますが、ダッシュボードにしたのは、こちらが本当の理由かもしれません。

その表れでもある記事がこちら。

何を見るか?

ダッシュボードの目的が決まったので、それを達成するための設計を解説します。

基本的に意識しているのが下記の点です。

  • チーム全体としてのパファーマンス(執筆数・PV数)はどうか

  • それを構成する個々のパフォーマンスはどうか

“チームとしてやっていることである”そのために“個人個人のアウトプットの積上げが重要である”ということをチーム全員に意識してもらうべく、それが一目でわかる作りを目指しました。

月ごと記事執筆数+積上げ

ダッシュボードの先頭のグラフでは下記2つを可視化しています。
棒グラフ  :月次の執筆数(内訳は執筆者)
折れ線グラフ:執筆数の累積

毎月コンスタントに記事を書けているか(やる気が低下していないか、安定的にアウトプットを出せているか)を確認しつつ、累積を見ることで山を登り続けた事実を実感するためにこの構成にしています。

記事×月次PV数

このグラフでは記事ごとの総PV数と、月ごとの内訳を色分けして積上げ棒グラフにしています。

主な観点としては、

  • 自分で書いた記事はどれぐらい読まれている?

  • 長く読まれている記事はどれ?

  • 今月はどの記事がよく読まれている?

等を見ています。

このグラフを他のメンバーと見ながら、読まれる記事の傾向を探ったり、悔しさを感じて気持ちを奮い立たせたりしています。

小ネタとして、軸にする項目がテキスト形式などで長くなる場合(このグラフでは記事タイトル)は、このグラフのように横向きにすると変に改行をしなくなるので見やすくなります。

記事×日次PV数、全体×日次PV数

一つ上の“記事×月次PV数”を日次で見るためのグラフです。

日次で見ることによって、

  • 今注目されている記事はどれか

  • 長く読まれる記事か、PVの初速はどうか

  • 前月と比較してPV数の伸び方は良いか悪いか

等を細かく見ることができます。

いろいろ利点を挙げてますが、やはりリアルタイムに近い形で見られると気持ちの入り方が違ってきます。何の気なしに作ったグラフでしたが、「次は前よりも読まれる記事を書こう!」という気持ちが強くなる効果がありました。

ダッシュボードの狙いは“執筆モチベーション”

前章でダッシュボードの各グラフをご紹介しました。違和感を感じた方もいるかもしれませんが、このダッシュボードはお手本の作り方とはある意味、逆の作りになっています。

ダッシュボードのオーソドックスな作り方として、下記の流れのものをよく見ます。
最終結果(時系列:終)

途中結果(時系列:中)

構成要素(時系列:始)

しかし、このダッシュボードの作りは
記事数(時系列:始)

PV数 (時系列:終)
となっており、流れが逆になっています。

この形にした背景として、

  • 記事執筆を重要な活動として、継続的にやっていくことにした

  • まずは記事執筆を習慣化することが優先事項である

  • そのためにモチベーションを上げる仕掛けが必要だった

等があります。

本来であれば、PV数(さらにその先の問い合わせ数)等の成果指標を先頭に配置して、最初に確認できるようにするのがセオリーです。しかしこのダッシュボードの目的はあくまでも“記事執筆を習慣化する”ことにしているので、その蓄積状況を把握しやすくするためにこの形をとっています。

ダッシュボードに限らず、報告の場面などでも“結論を最初に”とよく言われますが、結論は何を目的としているかセットで語られるべきです。慣習にとらわれず、「このダッシュボードは誰が見るもので、何を判断し、どんなアクションを起こすためのものなのか」を考えてデザインすることが重要です。

以上で、私たちのチームで行っているダッシュボードを活用したモチベーションアップの方法をご紹介しました。

連載第3回では、Notion→Google スプレッドシートのデータ連携部分をご紹介します。NotionのAPIを使って実現しているのですが、いろいろと躓いたところがあったので、それらの解説をしていきます。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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