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営業統括の苦悩をデータで解決、営業時代の学びを今に活かす:ナレッジハイライト2023年6月号

アタラ合同会社マーケティングコンサルティングチームの星野理人です。

アタラでは、「アタラ道場」という勉強会を開催しています。この勉強会では、広告プラットフォームのアップデートについての共有や、昨今のマーケティングトレンドに留まらない、メンバーそれぞれの強みを活かしたナレッジの共有を、毎回一人のコンサルタントが「師範」となって持ち回りで行っています。

今回は2023年6月に実施した「アタラ道場」を振り返ります。


営業統括の苦悩

この回では川田師範が前職での経験をもとに「営業統括の苦悩」というテーマで稽古を行いました。本稽古のアジェンダは以下の通りです。

  • データ活用はBIツール(分析・モニタリング)だけではない

  • 成功するデータ活用とは?

営業統括が抱える課題

川田師範は営業統括を「全社の営業数字に責任を持つ部門」と定義した上で、「日々の業務に追われて、取り組むべきことに取り組めない」ことが課題としてあったと述べました。営業統括は役員や各事業部門の管理職、現場メンバーなど、多くのメンバーと関わります。多方面から様々な要望や依頼をもらうため、日々の作業に忙殺されやすかったそうです。そのような環境下で、川田師範は「焼き直し」や「テリ表適用の自動化」を行うことでデータ活用を推進し、業務の効率化を実現しました。

焼き直し

焼き直しとは、疑似的に部署名を付け替えることで、連続性を持った集計結果を作成して、組織変更を意識せず分析・モニタリングできるようにするデータ加工のことです。これにより、組織変更を意識することなく分析できるようになります。

下記のようなケースで部署名の付け替えが必要になります。

  1. 複数の部署が1つに統合される

  2. 1つの部署が複数に分割される

  3. 部署名が変更される

  4. 部署が新設・廃止される

川田師範は例として以下のようなケースを挙げました。

  • 東京本社 (東京本社の一部が新宿支店へ分割)

  • 新宿支店 (東京本社から分割されて新設)

  • 神奈川支社(横浜支店、川崎支店が統合)

  • 千葉支店 (変更なし)

焼き直しを行わない場合、下記のようなグラフができ上がります。

これを焼き直すことによって、過去のデータに対して現在の区分を割り当てることができ、正確な比較ができるようになります。

この焼き直しの作業にはデータに対して、過去と現在の支店マスタが必要になります。マスタの作成もミスが発生しやすい作業の一つであることが述べられました。 

焼き直しについては、川田師範が執筆したnote記事で詳しく解説されています。ぜひご一読ください。

テリ表適用の自動化

テリ表は営業の担当地域(テリトリ)をリストにしたものです。テリトリは複数の市区町村や番地で構成されています。テリ表の更新も焼き直しと同じく組織変更のタイミングで発生する作業です。

川田師範は「ボリュームが少なければExcelの簡単な操作で乗り切ることも可能だと思います。」と述べた上で、企業によってはリストが100万行存在し、Accessを使用しても時間がかかることや作業のミスは発生してしまうことから、テリ表適用の自動化を行ったそうです。

テリ表適用の自動化を行う際のポイントとして、優先度付けについて言及されました。下記の表では、「テリ住所」の前方一致検索を行い重複を判定しています。重複の少ない住所の優先度を最も高くし、この処理を繰り返します。

テリ表適用の自動化により、脱Access・脱属人作業を実現できたとのことです。自動化する前は手作業で行っていたテリ表適用が自動化されたことにより、年単位や四半期単位で更新を行うテリ表を、必要なタイミングで更新できるようになりました。これが実現できたことにより営業統括が支援する部署の方々からも感謝をされたそうです。

テリ表については、川田師範が執筆したnote記事で詳しく解説されています。ぜひご一読ください。

データ活用成功の要因

川田師範からデータ活用成功の要因として、下記の点が挙げられました。

  • 専任の支援者を置く(人的リソースの確保)

  • ツール活用のような大きな話は、意志に委ねるのではなく、やらねばならない環境を作る

最後に川田師範は「データを見るだけじゃなくて、便利なデータを作るというのもデータ活用の一つであることを知っていただけたら嬉しいです。」と稽古を締めくくりました。

営業時代の学びを今に活かす

この回では大野師範が前職での経験をもとに「営業時代の学びを今に活かす」というテーマで稽古を行いました。

大野師範の営業担当者時代

大野師範は、食品商社と小規模広告代理店の2社での営業を経験しました。食品商社では、乳製品を海外で仕入れ国内で販売を行っていました。営業という職種ではありましたが、仕入れから販売まで一連の業務を行い、上流から下流まで幅広い業務を担当していたとのことです。その後、大野師範は広告代理店に転職し、顧客獲得のためにアポイントメントを取り続けるなど、営業活動に取り組みました。しかしながら、倒産によりわずか数カ月での退職を余儀なくされました。この事象は後述する大野師範の利益に対する姿勢にも強く影響を与えました。

取引先とは50:50の関係を築く

大野師範は、取引先との50:50の関係を築くことがビジネスチャンスにつながると述べました。友人のような関係を築くことがクライアントからの気軽に相談につながり、ビジネスチャンスが訪れることが多いそうです。

さらに、大野師範は上下関係によるデメリットを指摘しました。自身が上になると顧客は離れやすく、下になると不利益を被ることから、お互いがメリットとデメリットを考えながら、50:50の関係を築くことが重要であると強調しました。

クライアント対応は恋愛と同じように取り組む

営業においてクライアントとの関係構築は重要です。大野師範は、クライアント対応と恋愛の共通点を通して、クライアント対応について意識している点を説明しました。

大野師範は、クライアント対応を恋愛に例えると、以下の要素が重要であると述べました。

  • どうやって相手の興味を引くか

  • どうすれば自らに関心を持ってもらえるか

  • どうすれば喜んでもらえるか

  • どうすれば相手から能動的に自分へ接触してもらえるか

恋愛と同様に考えてアプローチすることが、クライアント対応の改善にもつながったそうです。

また、営業活動は相手の立場に立ち、相手のニーズや期待に応える提案を行います。商品やサービスを売ることだけに執着するのではなく、恋愛のようにお互いの関係を築くことに焦点を当てることでいつでも相談をいただけるような関係となり、中長期的な取引につながったとのことです。

クライアント担当者が社内で立ち回りやすいように自分も動く

営業においては単なるクライアント対応だけでなく、クライアント社内における担当者の評価も重要な要素です。大野師範は、自身の経験を通じてクライアントの立ち回りにフォーカスした営業経験について述べられました。

例えば、自身が提案資料を作成する際は、その資料が担当者からクライアントの上司や社内に展開されることを見据えて、担当者が社内で立ち回りやすいような配慮をしました。提案資料は担当者が上司に説明しやすい形で作成することで、提案が受け入れられやすくなるそうです。さらに、担当者が社内で高く評価されることが営業成果にも繋がるとも述べました。

買う理由を提示するのではなく、買わない理由を潰す 

営業においては、買わない理由を潰すことが重要な要素である、と大野師範は語ります。大野師範は、自身の経験から、買わない理由を潰していくことで、顧客の納得度が高まり、商品やサービスの購買へとつながると説明しました。一方、買う理由を提示するだけでは、顧客に逃げ道を与える可能性があるとのこと。そのため、まずは買わない理由を潰していくことが説得力を高めることにつながると強調しました。

大野師範は、利益の確保が会社の継続に不可欠である、と前置きした上で、営業活動においては利益を意識することが重要であり、一円の利益も大切にする姿勢を持つべきだと締めくくりました。

さいごに

6月はどちらも営業に関する稽古となり、営業支援や営業の視点を垣間見ることができました。
今回の投稿を通じて少しでもアタラに興味を持っていただけると嬉しいです。

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