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1st Partyデータアクティベーション、クッキーレス時代のデジタル広告:ナレッジハイライト2022年4月号

アタラのマーケティングコンサルティングチーム マネージャーの高瀬です。

アタラでは、「アタラ道場」という勉強会を開催しています。この勉強会は、広告プラットフォームのアップデートについての共有や、昨今のマーケティングトレンドに留まらず、メンバーそれぞれの強みを活かしたナレッジの共有を、毎回一人のコンサルタントが「師範」として持ち回りで行っています。

本記事では、簡単にではありますが、勉強会の様子を皆さんにもシェアしたいと思います!

今回紹介する道場は、2022年3月に開催された「1st Partyデータアクティベーション」と「クッキーレス時代のデジタル広告」です。

◇1st Partyデータアクティベーション

Google広告のカスタマーマッチと拡張コンバージョン、Facebook広告の顧客リストに基づくカスタムオーディエンスやコンバージョンAPIなど、来るクッキーレス時代に向けて、ウォールド・ガーデンと呼ばれる巨大広告プラットフォーマーにおいても、1st Partyデータを活用したターゲティング、効果計測の機能の実装が着実に進んでいます。

出典:Google広告ヘルプ「カスタマー マッチ データの一致確認について」

これらの機能をすでに使用している広告主や代理店担当者の方も少なくはないと思いますが、さらに一歩進んだ1st Partyデータ活用には取り組まれているでしょうか。

「1st Partyデータアクティベーション」と題した今回の道場では、Media.Monksの青木師範に、オフラインコンバージョンアップロードはもちろん、クリックからコンバージョンまでの期間が長いケースにおいても、オフラインデータを自動入札に反映させることができるソリューション「T-Flow」を紹介いただきました。

「T-Flow」の仕組みの概要は以下の通りです。

  • オフラインデータとオンラインデータを統合して、分析データベースを作成

  • 分析データベース上で予測モデルを作成し、Googleタグマネージャー(以下GTM)に反映

もう少し具体的に見ていきましょう。例えば転職サービスの場合、コンバージョンポイントとして以下2つがあげられるかと思います。

  1. 会員登録

  2. 成約(会員の内定取得)

上記2を最適化対象としてGoogle広告を配信しようとした際に、ひとつの手段としてオフラインコンバージョンのアップロードがありますが、広告のクリックからコンバージョンまでの期間は1か月以上と長いケースが多く、広告配信の最適化といった観点では活用が難しいかと思います。

そこで登場するソリューションが「T-Flow」です。オフライン(CRM)データとオンライン(広告やGoogleアナリティクスなど)データを統合して作成した分析データベース上で予測モデルを構築し、GTM経由でGoogle広告に予測スコアをインプットすることで、最終的な成約に最適化した広告配信を実現することが可能です。

例えば、予測モデルで以下の会員の成約率が高いことが判明したとします。

  • 年齢:20代

  • 地域:東京

  • 転職希望時期:今すぐ

この場合、会員登録フォームの入力情報が上記に該当するコンバージョンのコンバージョン値を高く設定するといったアクションが可能になるわけです。少しイメージが湧きましたでしょうか? 青木師範によれば、すでにT-Flowの成功事例も日本国内で出ているようですので、広告運用者としても知っておきたいソリューションですね!

◇クッキーレス時代のデジタル広告

続いて紹介するのは、私が師範となった「クッキーレス時代のデジタル広告」です。Google Chromeの3rd Partyクッキーサポート終了発表以降、皆さん耳に胼胝ができるぐらい「クッキーレス」「脱クッキー」「ポストクッキー」といったワードを聞いて、もう嫌になっている今日この頃かと思います。とはいえ、デジタル広告に非常に大きな影響を与えるのは言うまでもなく、広告運用者としても向き合わなければならないですよね。というわけで少々お付き合いください……。

そもそもの「クッキーとは何か」「クッキーが果たしてきた役割」は本記事では割愛しますが、広告の配信先として「ウォールドガーデン」と「オープンWeb」の大きく2つあることを押さえると、クッキーレス時代のデジタル広告の理解が進むよ、という話を紹介します。

まず、以下の図はウォールドガーデンにおける広告配信のイメージ図です。膨大なユーザー数を誇るウォールドガーデンにおいては、これらサービスのユーザーに対して広告を配信できます。ユーザーがログインしている場合、各サービスでの設定や行動に基づくユーザー属性をターゲティングメニューとして使用できるため、クッキーへの依存度は低いと言えるでしょう。

一方で、以下の図はオープンWebにおける広告配信のイメージ図です。広告買い付けシステムであるDSPと、広告媒体を束ねるSSPが広告枠の売買を行います。これらのサービスの開発会社はあくまで広告取引の仕組みの開発者に過ぎず、ユーザーに対して直接サービスを提供していないため、そもそもログインの概念がないです。そのため、広告配信のデータの収集は3rd Partyクッキーに依存せざるを得ないわけですね。

すなわち、オープンWebの方が相対的にクッキーレスの影響を大きく受けるわけです。そのため、Privacy SandboxやUnified ID 2.0といったいわばクッキーの代替とも言えるソリューションの開発・実装が急ピッチで進められたり、コンテクスチュアルターゲティングに注目が集まったり、1st Partyデータ活用が昨今ホットトピックとなっています。

今回は、「1st Partyデータアクティベーション」と「クッキーレス時代のデジタル広告」の道場を紹介しました。いずれもテクノロジー寄りのトピックでしたが、こういった少しテクニカルな話題にもついていける、理解できる広告運用者は今後重宝されるかもしれませんね。


さて、本記事を通して少しでもアタラに興味を持ったというそこのあなた、まずは一度私と話してみませんか。どこまで力になれるかは分かりませんが、キャリア相談でも全然OKです。

話を聞く前に、もう少しアタラのことを知りたいという方は、以下の記事をご一読ください。私とCEOの杉原がインタビューに答えています。

また、アタラメンバーがそれぞれの得意領域について語るYouTube Live「ATARAランチタイムLive」を4月20日より開始しました。ランチタイムにちょっと知っておくと便利な情報を選りすぐってお送りします。

第2回(5月11日放送予定)のテーマは「GAFAの次に来る広告プラットフォーム」。視聴登録された方にYouTube Liveの限定公開URLをご案内しています。ぜひ以下ページから視聴登録をお願いいたします(過去のアーカイブ動画も視聴いただけます)。

※この記事の情報、著者所属、肩書等は公開日当時のものです。

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