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組織力強化チームビルディング、MMM、ビジネスにおける想像力、SEO2.0:ナレッジハイライト2023年3月号

アタラ合同会社マーケティングコンサルティングチームの箕浦弘騎です。

アタラでは、「アタラ道場」という勉強会を開催しています。この勉強会では、広告プラットフォームのアップデートについての共有や、昨今のマーケティングトレンドに留まらず、メンバーそれぞれの強みを活かしたナレッジの共有を、毎回一人のコンサルタントが「師範」となって持ち回りで行っています。

今回は2023年3月に実施した「アタラ道場」を振り返ります。

組織力強化チームビルディング

この回は小澤師範による、「組織力強化チームビルディング」についての講義でした。メンバーの特性を理解し、チームを編成する助けとなるFFS理論をベースに、小澤師範が100名超のメンバーを束ねるポジションを務められていた時の経験も交えて実践的に稽古いただきました。

FFS理論とは

FFS理論は、Five Factors & Stress理論の略称であり、パーソナリティを以下の5つの因子とストレス値で定量化するものです。

  • 凝縮性
    「~すべき」「~が正しい」などが口癖で、自らの思想・価値観を固定、強化しようとする。

  • 受容性
    「(うなずきながら)そうか~」「まあ、何とかしよう」などが口癖で、自らの外部の状況を受け入れようとする。

  • 弁別性
    「それってこういうこと?」「具体的には?」などが口癖で、自らの内部、外部を相反分別しようとし、損得勘定が強く働く。

  • 拡散性
    「とりあえず」「適当に」が口癖で、自らを拡張・発展させようとする。あまのじゃく。

  • 保全性
    「抜け漏れない」「安全性はどうなの?」が口癖で、自らを保全・維持しようとする。几帳面。

FFS診断をしてみよう

FFS理論の5つの因子について、おおよそ理解したところで、道場では以下のサイトで試しにそれぞれ診断してみました

▽1分でできる!8キャラ診断 - 宇宙兄弟×FFS診断

FFS診断結果を仕事に活かそう

各因子には強みや弱みがあります。とくにチームを束ねる立場であれば、誰がどの因子が強いのかを理解して接しつつ、チームを編成することで、生産性の高いチームが作れる可能性があるとのことです。参考までに、以下が各因子の傾向です。

各因子のチームへの関わり方

因子の違いにより、仕事の動機付けにも違いがあるとのことです。以下を参考に、これからのチームメンバーへの接し方を少し変えてみるだけで、ものごとが上手く運ぶかもしれません。

因子別動機付けのポイント

もちろんこれらは、チームを束ねる立場でない人にも大いに参考になると思います。クライアントワークでは顧客への伝達の仕方を変えてみることで期待する効果が得やすくなるかもしれません。

参考(「FFS理論」提供会社案内)
・社名:株式会社ヒューマンロジック研究所
・代表取締役:古野 俊幸
・開発者:小林 恵智(経済学博士、教育学博士、組織心理学者)
・書籍:『組織潜在力 その活用の原理・原則』、『[入門]チーム・ビルディング 1+1が2以上になる最強組織の作り方 』、『本当のリーダーはどこにいる?---優秀なだけで社長にしていいのですか? 』

MMM(Marketing Mix Modeling)について

この回は阿部師範による「MMM(Marketing Mix Modeling)について」でした。マーケティングにおいて効果の最大化をはかるためのモデルを構築する理論についての説明や、実際にどのようなツール・データを使って、どんなアウトプットが得られるのかを稽古いただきました。

MMM(Marketing Mix Modeling)とは

マーケティングの施策による成果を分析する手法の一つです。成果変数を分解した数式を用いて、各施策がどの程度の影響を与えているかを算出することができます。

例えば、企業の売上に対して、各種メディアがどの程度貢献したかを分析するのために、以下のような式を作成、分析したりします。

上記を用いて分析する際には、以下のような時系列データが必要になります。

MMMツールの例

分析には専用のツールを使用することが多く(Excelでも回帰分析はできます)、以下はその例です。

  • Robyn:Metaが開発したオープンソースとして公開されている高機能なMMMツール

  • lightweight MMM:Googleが開発したPythonベースのオープンソースのモデル

  • MAGELLAN:株式会社サイカが開発した統計分析を用いた統合マーケティング解析ツール

Robynを使用した際の分析結果のイメージとしては以下です。各施策がどの程度売上に対して貢献しているのかをウォーターフォール形式で表したものです。

このような分析結果を見ながら、各メディアへの予算配分などを検討できます。

MMMツール利用までに多い課題

便利なMMMツールですが、以下の課題があり、なかなか実施には至らないことが多いそうです。

  1. データが集まらない

  2. データを必要な形式に加工できない

  3. MMMを実装できない

ビジネスにおける「想像力」の重要性を考える

この回は高瀬師範による「ビジネスにおける「想像力」の重要性を考える」でした。高瀬師範が最近感じているのが、「コンサルタントとしてはもちろん、ビジネスパーソンとして「想像力」を鍛えることは今後ますます重要になってくる」ということ。想像力の重要性の再認識と、それを鍛える方法について稽古いただきました。

想像力とは?

自身が経験していないことや未来のこと、現実には存在しないことを、頭の中で思い描く力です。ビジネスにおいて、新しい製品やサービスの開発、マーケティング戦略の立案、問題解決など、様々な場面で重要な役割を果たします。

想像力がある人の傾向

  • 気が利く人

  • リスクマネジメントが上手い

  • 仕事が早い

想像力が重要なシーン

  • コミュニケーション
    人間どうしの考えや価値観は異なるもの。円滑なコミュニケーションを図るには、表層に現れていない相手の気持ちや前提を想像することが重要です。

  • 提案・交渉
    提案、交渉の場面では、まずは相手のニーズを理解することが重要です。相手が何を求めているのかを想像することで、その要望に沿った提案や交渉ができます。

一例として、高瀬師範が実際に経験した、想像力が重要なビジネスシーンについて紹介頂きました。とあるクライアントのマーケティング責任者からの運用型広告に関する依頼への対応についてです。広告運用者としてどのような対応を行うのがよいか考えてみてください。

依頼内容
「弊社(広告主)でリストアップした検索キーワードを100個を検索キャンペーンに設定してください」

クライアントの基本情報

  • 設立間もないスタートアップ企業である

  • ベンチャーキャピタルから多額の出資を受けている

広告の出稿状況

  • 既存の検索キーワードですでに獲得の見込めるキーワードはカバーできている。

  • 100個の検索キーワードを追加することで広告のインプレッション数は増えるが、コンバージョン率の低下が想定される。

  • 検索キーワード追加とその後のメンテナンスにかかる工数を考えると、費用対効果はあまり良くない。

  • ディスプレイ広告やSNS広告に投資した方がパフォーマンス改善が見込める。

対応例
この場合は依頼通り「検索キーワードを100個追加する」が必要なアクションです。

クライアントがどういった背景で依頼をしてきたのかを想像する必要があります。このクライアントはVCから多額の出資を受けており、その資金をマーケティング費用に充てていたようで、VCから検索キーワード追加のオーダーがあった、というのが依頼の背景でした。このような事情を広告主側の担当者から直接聞けることもありますが、クライアントの置かれている状況を想像(配慮)することは円滑なお取引を継続するうえで重要です。

想像力を養うために

このような対応をしっかりと行える人になるためには、日頃から以下を意識すると良いとのことです。

  1. 「人」に興味を持つ

    • 「人には興味ない」はよしとして、観察、分析として行う。

    • 考えるだけでなく、さりげなく行動の理由(「なぜお昼ご飯をそのお弁当にしたのか?」など)を尋ねてみたりする。

  2. 様々な領域の情報にアンテナをはる

    • 想像するためには、知識も必要。

    • 様々なことに関心を持ち、継続的に情報をキャッチアップする。

  3. 仮説を立てる習慣をつける

    • 日常のシーンについて、「最近よくこの商品みかけるけど、なぜだろう?」など立ち止まって考える癖をつける。

  4. 反対の立場を考えてみる

    • 視点の数を増やすためにも、「自分はこう考える。」と思ったら、「こう思わないとしたら、その理由は何だろう?」と考えてみる。

  5. 多様な価値観にふれる

    • あえて自分とは異なる価値観を持つ人(ちょっと苦手な人など)ともときどき話してみる。

Web広告は、既存顧客を分析して、配信する前のユーザーの心理や起こしうるアクションを想像し、そこからどこでユーザーと接触し、広告を見たユーザーにどのような態度変容を起こすかを考えて全体を設計します。マーケティングに関わる人なら、「想像力」は必須のスキルではないでしょうか。

※参考リンク:

アタラで実践中のコンテンツマーケティング/SEO2.0

この回は杉原師範による「アタラで実践中のコンテンツマーケティング/SEO2.0」のシンクセッションでした。
杉原師範自身が絶賛リード中の各施策の詳細をご共有いただきました。内容的には会社の戦略を多く含むため、こちらの記事では、そもそもSEOとはどういうものか、ということや、どのような施策があるのかについて記載します。

SEOとは?

SEOとは、検索エンジン最適化(Search Engine Optimization)の略で、WebサイトやWebページを検索エンジンの検索結果で上位に表示させるための技術や戦略のことを指します。

Googleの「検索品質評価ガイドライン」

SEO対策をするうえで、Googleの「検索品質評価ガイドライン」について知っておく必要性があります。以下を満たすコンテンツを作成することがSEO対策として重要ということです。

  • 経験・体験

    • 一次情報の伝達

  • 専門性

    • ジャンルに特化

    • 専門知識の量と質の上昇

    • 専門家への取材

  • 権威性

    • 著者名・運営会社名の開示

    • 外部からの被リンクの獲得

    • サイテーションの獲得(サイト名や企業名などが、他サイトに掲載されること)

  • 信頼

    • 詳細な情報の開示

    • 編集ポリシーの公開

    • 専門性の高いサイトからの引用

上記に沿って、Webサイトへのアクセスを増やすためには、自社サービスに関連した検索語句やキーワードの検索ボリュームを調査します。その際には「Google Search Console」や「Google キーワードプランナー」を使用したりします。そして各検索語句から読み取れるニーズを想定し、コンテンツを作成します。コンテンツ作成の際の注意点についても詳細に紹介いただきました。

さいごに

今月も各師範より熱く稽古頂きました。アタラにはこうしたナレッジを共有する機会が非常に多くあります。今回の投稿を通じて少しでも興味を持っていただけるとうれしいです。

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