こんにちは。アタラ合同会社のデータコンサルティングチームです。

Googleアナリティクスが、ユニバーサルアナリティクス（UA）からGoogle アナリティクス 4（GA4）にアップデートされたことで、UAにて利用していたいろいろな指標が刷新され、一部が利用できなくなってしまいました。その中の一つに「ページの価値」という指標があります。

自社サイトの担当者やマーケターは、コンバージョンへの貢献度を測るためのこの指標をサイト改善やマーケティング施策の参考としてきました。しかし、GA4では類似した指標を見ることができず、参考とする指標の一つがなくなってしまいました。

UAの「ページの価値」は目標値の合計値÷ページ別の訪問数が計算式となります。しかし、目標値が設定しにくいサイトや、単純に平均を求めるだけではなく過程に重みを付けたい場合などには対応できず、「ページの価値」だけでは正しく自社サイトの価値を測れなかったというのも事実です。

このたび、アタラではこうした課題を解決する「GA4コンテンツ・アトリビューション・ダッシュボード」のサービス提供を開始しました。

GA4から「BigQuery（Google Cloudの1プロダクトであるデータウェアハウス）」へのデータ連携が無料でできるようになりました。本サービスは、BigQueryに連携されたGA4のデータを用いてコンテンツ・アトリビューション分析のための計測を行い、Googleが提供する「Looker Studio」のダッシュボードで可視化するものです。

この記事では、課題解決のキモになる「アトリビューション分析」「コンテンツ・アトリビューション分析」とは何か、どのようにダッシュボードで可視化されるのか、また、このサービスを導入することでどう課題を解決できるのかについて解説します。

ページの価値は金額、コンテンツアトリビューション分析はポイントで貢献度を測る

コンバージョンへの貢献度を測るための「ページの価値」ですが、貢献度を測るという目的は同じながら計測の手法が異なる「コンテンツ・アトリビューション分析」という考え方があります。

「ページの価値」は各ページがコンバージョンにどれだけ金額的な寄与をしたかの指標です。そのため、コンバージョン＝直接的な収益ではない場合、そのコンバージョンに相応しい金額が設定しにくく、また、コンバージョンに近いページほど「ページの価値」の値が高くなるという特性があります。

対して、「コンテンツ・アトリビューション分析」は金額で測るのではなく、あくまで貢献度をポイントに換算してコンバージョンに至るまでに辿ったページに対して割り振る手法となります。

アトリビューション分析とは

コンテンツ・アトリビューション分析は自社で運営するサイト内のページに限って貢献度を計測する手法ですが、そもそも、「アトリビューション分析」とはどういうものでしょうか。

コンバージョン獲得のために、私たちは複数のマーケティング施策を実施します。それは、広告施策だけではなく、ブログやプレスリリース、セミナー実施など多岐にわたります。

アトリビューション分析とは、それらのマーケティング施策がコンバージョンに寄与した効果を測定する分析手法です。直接的にコンバージョンにつながった施策だけを評価するのではなく、間接的な施策も評価することで施策全体の総合的な分析を行い、広告費用の最適化や新たな施策の発見が期待できます。

逆に、アトリビューション分析を行わないと、コンバージョン直前の施策にのみ目が行きがちで、認知のキッカケやコンバージョンの後押しとなったであろう施策の評価が軽く見られてしまう可能性があるというのもポイントです。

アトリビューション分析の評価方法

コンバージョンまでの経路のうち、接点となった各チャネルにどのように貢献度を割り当てるのかについては、いくつかの計測方法が存在します。代表的なパターンは、以下の五つとなります。

ラストクリック

　コンバージョン直前のイベントにだけ貢献度を割り当てます。

ファーストクリック

コンバージョンに至った経路のうち、最初のイベントにだけ貢献度を割り当てます。

線形

コンバージョンに至った経路のすべてのイベントに、均等に貢献度を割り当てます。

接点ベースモデル

コンバージョンに至った経路のうち、最初と最後のイベントそれぞれに40%の貢献度を割り当て、それ以外のイベントで残り20%の貢献度を均等に割り当てます。

減衰

コンバージョンまでの時間が短いクリックに、より多くの貢献度を割り当てます。

ローデータからのコンテンツ・アトリビューション分析には専門的な知識・技術が必要

コンテンツ・アトリビューション分析では、自社サイトに流入し、コンバージョンするまでに辿った経路に対し、前述のような評価方法にて各ページの貢献度を測ります。

各ページの貢献度をもとに、コンバージョン（結果）につながる各ページ遷移（過程）の精査をすることで、よりコンバージョンしやすい流入経路や動線などの推論を立て、自社サイトの最適設計を行う手助けとなります。

上図では、Web広告をキッカケとして自社サイトに訪問し、一度、サイトから離れ、購入検討をした上で、再度訪問して購買に至っています。購買直前のみの遷移だけで評価をしてしまうと、購買におけるWeb広告の貢献度はゼロで、オーガニック検索から購買に至ったと評価されてしまう可能性がありますし、サイト内のいくつかのページを遷移して購入検討に至る情報を収集できていたとしても、そのページは評価されないことになってしまいます。

GA4のデータから、ユーザーがどのページを表示したのかというローデータ（生データ）は取得できますが、ページ遷移の流れを追うのは簡単ではありません。それ以上に、各ユーザーのページ遷移を追った上でアトリビューションの計測を行うには専門的な知識・技術が必要になります。

そのため、コンテンツ・アトリビューション分析を行うための計測データは、外部システムを導入してデータ成形をしたり、外部に業務依頼をすることで取得するのが一般的で、日々の運用には少なくないコストがかかってきます。

「GA4コンテンツ・アトリビューション・ダッシュボード」導入で、計測結果は自動出力、お客様自身ですぐに分析可能に

外部にコンテンツ・アトリビューションの分析業務を依頼すると、計測データの取得は月に1回または数回のレポート提出になり、自社内でタイムリーに取得・加工することが難しくなります。

弊社が提供するサービス「GA4コンテンツ・アトリビューション・ダッシュボード」は、GA4のイベントデータからアトリビューション分析のための指標計測サービスを自社のGoogle Cloud Platform内に構築し、自動的に計測結果を出力する仕組みです。そのため、導入後、継続してサービス利用に費用がかかるものではありません。また、データ自体が自社の環境内に出力されるため、いつでも自由にデータ取得・加工が可能となります。

GA4ではローデータをBigQueryと連携させる機能が無償提供されています。本サービスでは、連携されたBigQueryのデータを用いて、アトリビューション分析の4モデル（ラストクリック・ファーストクリック・線形・接点ベース）による分析が可能になります。そして、計測したデータは定期的に自社環境内に積み上げて保存されていきます。

そのため、導入後は、自動的に出力される計測結果を用いて、お客様ご自身でデータの利活用ができます。出力された計測結果だけではどうやって可視化すればよいか分からない、可視化する場合の一般的なフォーマットが分からないといったお客様向けに、計測サービスとあわせて、計測結果のデータ参照の設定済みLooker Studioのテンプレートダッシュボードも提供します（Looker StudioはGoogleが提供するダッシュボードで、無料で利用可能です）。そのテンプレートをベースに自由にダッシュボードをカスタマイズすることも可能です。

本サービス導入後はデータをいつでも参照し、多角的に分析することが可能となります。自社サイトの分析や改善策に課題を持っている方々はもちろん、本サービスにご興味をお持ちいただけましたら、お気軽にお問い合わせください。

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※本記事の内容、所属、肩書き等は公開時点のものです。