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【Domopalooza Japan 2022レポート】モバイルセントリックでビジネスを加速~いつでもどこでもインサイトからアクションをとる効果~

クラウド型データ活用プラットフォーム「Domo」を提供する、ドーモ株式会社が主催するカンファレンス「Domopalooza Japan 2022」が、2022年9月7日(日本時間)にオンラインで開催されました。

多種多様な業界のDomoユーザ企業が登壇し、データ活用の事例や今後の業界展望等のセッションが行われました。

その中の1つ、「モバイルセントリックでビジネスを加速~いつでもどこでもインサイトからアクションをとる効果~」では、モバイル機器をメインとしてデータ活用を実践するビジネスリーダー3名が、新しいビジネススタイルとそのメリット、そしてデータ活用の浸透に必要だった過程とヒントについて議論しました。

本セッションの登壇者

  • 西田 圭一 氏 KDDI株式会社 シニアディレクター/コーポレートシェアード本部長

  • 田島 学 氏 アンダーワークス株式会社 代表取締役社長

  • 杉原 剛 アタラ合同会社 CEO

登壇者のDomo歴は、3名とも4年以上。アンダーワークス株式会社と弊社アタラ合同会社はともに、Domoに関してはリセラーという立場ですが、今回はユーザー視点でのディスカッション参加です。

各社Domoの活用についての紹介

フルクラウド環境下でモバイルだけで意思決定できる(アタラ合同会社)

アタラ合同会社では、コロナ前からリモートワーク体制を取っています。リモートで仕事を進めるにはSaaS活用が不可欠であり、会社規模は大きくないながらも50種類以上のSaaSを活用しています。

DomoにはSaaSのデータを取り込むためのコネクタが豊富にあり、それぞれのSaaSアプリのデータを可視化できます。その結果、意思決定のためのデータがすべてモバイルで閲覧可能になっていると、代表の杉原は語ります。

モバイルで常に確認できるので「何が問題か」に集中できる(アンダーワークス株式会社)

アンダーワークス株式会社では国内で利用されているマーケティングテクノロジーの種類を毎年調査を行っています。田島氏によると、現在では1,500種類ものツールが国内で利用されているとのこと。同社でも数多くのツールを活用しているそうで、それらのデータを集約しレポーティングするためにDomoの活用を始めたとのことでした。

また、マーケティングに限らず売上予測、以下のようなプロジェクト管理、勤怠管理などあらゆる経営データの可視化も行っています。

  • アサイン管理
    誰がどのプロジェクトにアサインされているか、各メンバーのアサイン率を把握、管理。

  • プロジェクト管理
    同時に走っているプロジェクト数をリアルタイムで把握。

  • プロジェクトの状況把握
    プロジェクトリーダーからの進捗状況、メンバー稼働状況、品質に関する報告から問題を早期に察知。

  • 残業時間把握
    法定内残業、固定残業を超える残業がないかを把握

  • 採用管理
    応募数、面接数、紹介か直接応募かの把握。キャッシュ・フローに関わる紹介コストの把握。

予測においては、予測の精度の重要性もさることながら、「組織全員が同じ数字感覚をもつことが大事だ」と田島氏。

また、プロジェクト管理においては、いつでもどこでも各プロジェクトの状況が把握できるようにしています。プロジェクトリーダーが問題を報告してくる段階では手遅れなことが多いため、事前に把握してアクションがとれるということはとても重要だと語りました。

こうした情報をモバイルで把握できることは、常に会社の状況を知ることができる安心感に繋がると同時に、「何が問題か」やそれに対するアクションに集中できるという大きな利点が得られたとのことでした。

Domoを活用した新しいワークスタイルを提案(KDDI株式会社)

KDDI株式会社の西田氏は、Domoの導入初期、社内でDomoの価値をどのように伝えればよいかといった点で苦労されたそうです。さまざまな検討を重ねた結果、「Domoにはワークスタイルを変える3つの軸がある」と提案を始めました。

  • ダッシュボード 判断する→動く
    複雑なものを簡単に見せる。経営者から現場まで、すべての人に対してそれぞれ必要なデータをシンプルに見せることでアクションや意思決定につなげる。

  • 業務プロセス改革 見える化→最適化
    ムリ・ムダ・ムラが一目で分かる状態になる。結果として、業務プロセス最適化のヒントになる。

  • シンプル・プレゼン 伝える→伝わる
    本当に伝えたいことにフォーカスしてプレゼンすることができ、「伝える」ではなく「伝わる」に変わる。

「この3つの軸のうち少なくともどれか1つにヒットすると、そこから話が進んで浸透につながっていった」と西田氏。

Domoはできることが多いがゆえに、逆に伝わりづらい面があると杉原も同調していました。顧客に合わせてDomoの魅力をシンプルに伝えることは意外と難しく、弊社が導入コンサルティングを行う場合においても苦労する点のうちの一つです。逆にこのハードルを超えることで自走化が進むため、西田氏のようにDomoの魅力を代表的なものに落とし込んで伝えるというのは一つのポイントになると改めて感じました。

各社の成功のコツ

スプレッドシートの廃止を目指す(アンダーワークス株式会社)

田島氏は、モバイルセントリックは在宅勤務でも価値を発揮すると語ります。

「どこでも」情報を確認できるという点にフォーカスすると、在宅勤務ではあまりモバイルセントリックであることは価値がないと思われがちです。しかし、在宅勤務では移動時間のような隙間時間が少なくなっており、そんな中で「いつでもすぐ」に情報を確認できるという点において、むしろモバイルセントリックは価値が高いと言えます。また、「いつでもどこでもすぐに」はBCPとしても活用できる点を、杉原とともに評価されていました。

同社ではDomoを導入するにあたって、社内での浸透をはかるために、スプレッドシートの廃止を目指しました。

スプレッドシートでの数値化は、細かい表現が可能などの利点もありますが、作成に膨大な時間がかかることや、バージョン管理などの煩雑さがあります。そのような不便さをなくすために、クラウドのデータをそのままDomoで可視化を行うようにしたそうです。そうすることで数値をつくることに時間を割くのではなく、同じ指標を皆でみてアクションをとるという流れを生み出すことに成功したと田島氏は語りました。

モバイルセントリックな働き方のための新技術(アタラ合同会社)

杉原はモバイルセントリックな環境を構築して良かった点として次の4つを紹介しました。

  • 外出先でも1時間毎に最新データを見られるようになった

  • 変化があればアラートが飛んでくるのですぐにアクションがとれる

  • 「まずはDomoを見ておいて」「Domoで見れるようにしよう」という会話が増えた

  • 意味のあるKPIを考えられるようになった

特に4点目は弊社が導入コンサルティングをする場合でも同じことが言えます。昔からのデータに基づかないKPIをそのまま追い続けている企業は多いかと思います。DomoでKPIを簡単に可視化し皆で共有することで「この数値を追った方がこういったアクションにつながるのではないか」等の議論が生まれ、アクションにつながるKPIが生まれるようになります。

また、弊社ではモバイルセントリックな働き方のために日々アップデートされるDomoの新技術も積極的に採用しています。

  • サテライトオフィスの拠点位置をモバイルで確認できるダッシュボード (DDX  Bricks)

  • オウンドメディア「Unyoo.jp」での記事内にDomoのダッシュボードを埋め込み (Domo Everywhere)

感動を自走につなげるための種まき活動(KDDI株式会社)

西田氏は、Domoのデモを初めて見た際に感動を覚えたと語ります。同様に、同社の中でDomoの説明を行うと初めはやはり食いつきがよかったとのこと。しかし、その感動から自走につなげる(=持続的に運用し使い続けていく)ためには、工夫が必要だったそうです。

まずは良さを知ってもらうための種まき活動、そして各事業部との並走での課題解決で発芽を促進、最終的に事業部を中心としたプロセス改革で花を咲かせるといった、共創と協奏を現在進行形で取り組んでいるそうです。これらの取組を「サーバント・リーダーシップ」でメンバーを支援し、「シェアード・リーダーシップ」でリーダーを固定せず、適材適所で循環させることが大事だと説明しました。

また、西田氏は社内浸透までの道のりはとても長かったとも語りました。プロジェクトメンバー中心に使いやすさの魅力を伝えていくところから、社長にゲリラ的にデモプレゼンテーションを行ったり、様々な部門への発信を地道に行ってきたそうです。

これらの種まき活動により、Domoの良さはクチコミでひろがっていきました。通信会社ならではの強固なセキュリティゆえに、セキュリティ部門によってDomoの運用にストップがかけられることもあったそうですが、Domoユーザの増加という“花”が咲くようになっていったと語っていました。

各部門での「自走」を促す活動の具体例を紹介いただきました。

  • ガイドライン・短時間で見られる動画マニュアル・FAQを整備

  • 月2回、出店方式でのハンズオントレーニング

  • Domo認知・理解向上のためのイベント開催

これらの取組を通して、花が咲いた事例も数多く紹介いただきました。

  • 社長専用のモバイル用経営ダッシュボード
    必要な人に必要なデータをクイックに届けるための経営ダッシュボードのパーソナライズ

  • 商品物流データの基礎分析によるKKD(経験と勘と度胸)の後押し
    経験と勘を実証するデータ分析で、数値化に抵抗のあるベテラン層も巻き込む

  • クラウドサービスの問い合わせの可視化
    グループ会社からの問い合わせのモニタリング用ダッシュボードを担当者が自律的に構築

経営ダッシュボードの構築は、KDDI株式会社の髙橋誠社長が「社長室に入らないと自分が見たいデータが見られないのは嫌だ」とはっきりおっしゃったことがきっかけになっているとのこと。移動中の車のなかでもどこでも、リアルタイムで自分の気になるKPIを見られる環境で、モバイルセントリックによる経営がKDDIという大きな組織においても実現しようとしているとのことでした。

まだこうしたロングジャーニーの最中にあるという西田氏は、結果だけではなく、対話と学びのプロセス自体に価値があると語りました。

ビジネス革命、その先へ

最後に、本イベントのサブタイトルである「ビジネス革命、その先へ」について3者が想いを語りました。

まず、田島氏の想いは「ルーティンワークからの解放」。「気づくと仕事のうちの多くが誰かのための雑務になりがちですが、いろいろなデータが自動で繋がることでルーティンワークから解放され、意思決定や課題の発見などのクリエイティブな仕事に多くの時間を割ける世の中が今後来るのではないか」と考察されていました。

西田氏は、ビジネス革命のその先へ向かうために「課題を解決するプロセスを楽しむ」ことが大事だとのこと。「仕事とは誰かの課題を解決まで導くことやヒントを与えることであり、Domoを活用することでそのプロセス自体が楽しくなる」と強調されました。

杉原は「小さな積み重ねが大きな革命を生み出していく」と語りました。ビジネス革命は「まず最初の一歩から。スモールスタートでコツコツ積み上げていく。大変ではあるけれど実現可能だということを信じて皆さんも是非やってみてください」と視聴者に向けてメッセージを送りました。

全体を通して:ビジネス革命その先は近くまで来ていると実感

Domoを使いこなしているビジネスリーダーのお三方が、「いつでもどこでもインサイトからアクションをとる」ことについて語る貴重な時間でした。

ディスカッションを聞いて、ビジネス革命のその先の明るい未来が見えてきた気がします。ほんの数年前はモバイルで会社の状況を把握するなんてことは、どこか近未来的なことのように感じていましたが、それが現実のものになっています。仕事の多くをルーティンワークに充てている人はまだ多くいると思いますが、そこから解放される未来もきっと近くまで来ていると、確信を持つことができました。

そこに辿り着くためには、杉原が語るように小さな成功をコツコツ積み上げていくことが必要です。西田氏が語るように、それは長い道のりであり、途中でいくつかのハードルにぶつかるかもしれません。

しかし、すでにビジネス革命を起こしている先輩が世にいることはとても頼もしく感じました。このようなイベントでその経験をシェアしていただけるのはとても貴重であり、後続者を勇気づける機会となったと思います。今回紹介いただいた活動例がすべての企業にあてはまるわけではありませんが、ご自身の環境を変えるためのヒントにしてみてはいかがでしょうか。

弊社ではDomoに限らず、データ活用の自走化のコンサルティングを行っております。私たちと一緒に、まず最初の一歩を踏み出してみませんか? 私たちはお客様のビジネス革命に寄り添い伴走いたします。

気になった方はぜひお問合せください。



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