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Looker Studio、マーケティングデータ活用、講義・研修の満足度を上げる裏技、カーボンニュートラル:ナレッジハイライト2022年12月号

初めまして。
アタラ合同会社 マーケティングコンサルティングチームの神岡です。

アタラでは、「アタラ道場」という勉強会を開催しています。この勉強会では、広告プラットフォームのアップデートについての共有や、昨今のマーケティングトレンドに留まらず、メンバーそれぞれの強みを活かしたナレッジの共有を、毎回一人のコンサルタントが「師範」となって持ち回りで行っています。

今回は11月に開催された勉強会の様子を、皆さんにもシェアしたいと思います!

マーケティングデータの活用

この回は阿部師範による「マーケティングデータの活用」の講義でした。
実務で得た知見・直近のマーケティングトレンドから見えてくる考察をデータを活用して、可視化した実際のダッシュボードなどを見せていただきながらお話しいただきました。

クロスメディア分析のテーマは「Attribution」

クロスメディアとは、商品やサービスを宣伝する際にホームページだけではなく、様々な表現媒体(メディア)と連携し集客アップを行う手法のことです。また様々な表現媒体の中で、パフォーマンスの貢献度、パフォーマンスを出すに至った要因のことをAttributionと呼びます。

クロスメディア分析とは、パフォーマンスを評価するにあたって、リターンがどのような場所から生み出されたのかを分析するために使われる考え方です。

これまでは、計測の対象はラストクリックのみでした。Attributionの登場で、クリックしておらず、見ただけのコンバージョンも計測するようになってきています。これがAttributionモデルのひとつ「ビュースルーAttribution」です。インプレッション計測とも呼ばれ、インプレッションにより最終的なインストールが行われたことを示します。

クロスメディア分析の重要ポイントとして、コンバージョンの直前だけ見ていても、正確なパフォーマンスは計測できない、Attributionを使って購入(コンバージョン)の意思決定のきっかけとなったアクションを視ることが重要だと阿部師範が伝えてくださいました。

「Attribution」を意識したGoogleアナリティクス4

Googleアナリティクス4の分析の軸は「ユーザー」。そして、コンバージョンは「最初のセッション」と結び付きます。今後Cookie規制が厳しくなれば、1st Party Cookieを用いたツールであっても計測ができなくなる可能性があるため、Cookie規制に対応したGoogleアナリティクス4がリリースされました。

Retail Mediaとは

Retail Mediaとは、小売業者が持つ会員基盤を活用して、消費者の購買データや行動データを広告配信に利用する新たなビジネスモデルのことです。Retail Mediaのメリットは、「購買意欲の高まっているタイミング(ECサイト閲覧時)に、パーソナライズされた関連性の高い広告を受け取ることによって、価値の高いショッピング体験ができること」これからの新たなビジネスモデルの盛り上がりが楽しみだと阿部師範はおっしゃていました。

講義・研修の満足度を上げる裏技

この回は高瀬師範による「講義・研修の満足度を上げる裏技」の講義でした。登壇・研修講師経験の多い高瀬師範の裏技とはどんなものなのか?わくわくしました。高瀬師範から奥義継承のアタラ道場です。

徹底的にヒアリング

領域・経緯・組織体制・レベル感など、相手からしっかり必要な情報を引き出し、カスタマイズすることはとても重要だと学びました。依頼主のざっくりな講義依頼をこうかな?という予想で行ってしまうと、顧客満足度を下げてしまう可能性もあります。

資料のドラフト版で様子を伺う

ヒアリングが出来たら、資料の作成、そしてドラフトの段階でフィードバックをいただきます。顧客の本当に求めていることを理解するためにも、こちらからドラフトの段階で提案を投げかけフィードバックをいただき、必要としている部分を相違なく理解し合っている状態が顧客満足度向上に繋がります。

もらえるものは全部もらう

こちらが必要だと感じた情報(アカウント情報や定例資料など)はクライアントに情報を求める事が重要です。クライアント情報は個々にカスタマイズした講義や提案をし、クライアントの顧客満足度を上げるために必要不可欠です。

3つのポイントをしっかり押さえて、クライアントがコンサルタントに求めていることを理解し、顧客満足度を高め、提案などに活かしていきたいと思える講義でした。

カーボンニュートラルについて

この回は児玉師範による「カーボンニュートラルについて」の講義でした。
カーボンニュートラル…言葉は聞いたことありますが、どんなものなのか? 深く考えながら講義を受けました。


カーボンニュートラルとは?

世界的な平均気温上昇を工業化以前に比べて2°Cより十分低く保つとともに、1.5°Cに抑える努力を追求すること(2°C目標)

今世紀後半に温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収源による除去量との間の均衡を達成すること

パリ協定より

パリ協定は、2015年の「国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)」において採択され、世界共通の長期目標として合意されました。

日本での取り組みとして行われていること

日本では、国と地方が協力して、2050年までに脱炭素社会と持続可能で強靭な活力ある地域社会を実現するための「地域脱炭素ロードマップ」が2021年6月に決定されました。その狙いは地域課題を解決し、地域の魅力と質を向上させる地方創生に貢献することです。

IT業界におけるカーボンニュートラルの事例

ソフトウエアによるIT機器の制御でエネルギー効率の向上
実際にソフトウエアを改良してサーバーやストレージへのアクセス効率を向上させることで、消費電力を大幅に削減できることがわかっています。実際に消費電力を削減するためには、ソフトウェアの改良が省エネルギー化にどれほど貢献したのか、定量的に評価できなくてはなりません。そこで、ITサービスのエネルギー効率指標を算定する方法が、国際標準規格「ISO/IEC 23544:2021 Information Technology – Data Centres – Application Platform Energy Effectiveness (APEE)」として発行されています。

クラウド利用によるエネルギー効率の向上
クラウドでは、サーバーを仮想化して集約するため、物理サーバーを直接利用する場合に比べて多数のサーバーを効率よく運用できます。つまり、オンプレミスのシステムをクラウドヘ移行するだけで、温室効果ガス排出量の削減に繋がります。

再生可能エネルギーの利用
クラウドはオンプレミスと比較して効率よくエネルギーを利用することができます。しかし、クラウドの利用拡大に伴い、データセンターが利用する電力自体は増加の傾向にあります。そこで、省電力化とあわせて利用する電力を再生可能エネルギーに置き換えるといった試みが重要となっています。

アタラの働き方はカーボンニュートラル

アタラの働き方は以下の記事にあるとおり、「全国勤務可能。テレワーク・リモートワーク勤務で、各自のライフスタイルを尊重」しています。

「つまりアタラはフルクラウド環境なのでカーボンニュートラルに大きく貢献しているんじゃないの?この事実を声を大にして発信していこうぜ!」と児玉師範はおっしゃっていました。

Looker Studioによるクリエイティブ別レポートの作成方法

この回は箕浦師範による「Looker Studioによるクリエイティブ別レポートの作成方法」の講義でした。

①なぜクリエイティブ別レポートが必要か?
②クリエイティブ別レポートの作成手順
③画像サイズの違いを無視したクリエイティブ別レポートの作成方法
④表の作成

などについて、お話しいただきました。合わせて旧データポータルからLooker Studioに変わった話も伺いました。

なぜクリエイティブ別レポートが必要なのか

定例会で一番盛り上がるのは、クリエイティブレポートからわかるインサイトだからです。

クリエイティブ別レポートの作成手順

①データソースの用意
以下のデータソースを用意します。

  • ディメンション

    • 日別

    • キャンペーン

    • 広告グループ

    • 広告タイプ

    • 画像サイズ

    • ラベルテキスト:タイトル、説明文

    • リンク先URL

  • 指標

    • 表示回数

    • クリック数

    • CV数

    • 売上

    • 費用

データソースは以下の記事の手順を参考に用意します。

②データソースをLookerStudioに接続
①と同様、こちらの記事を参考に、データソースをLookerStudioに接続します。

③データの抽出
データ抽出はこちらの記事の内容に沿って行います。

データ抽出を行うメリットとしては、「分析対象がデータのサブセットに限定されるため、元のデータにライブ接続した状態よりも読み込みが速くなり、フィルタ適用や期間指定の際の待ち時間が短縮される」ことがあげられます。

出典:データポータルヘルプ「パフォーマンス向上のためにデータを抽出する

④表の作成

画像ごとの成果を表にする際には、IMAGE関数を使用します。
IMAGE関数の指定の方法は以下のとおりです。

IMAGE 関数は、URL を入力値として受け取ります。URL パラメータは、データソースの既存の URL フィールドから取得するか、他のフィールドや関数から URL を作成する式として指定できます。
Alternative Text パラメータ(省略可能)は、目の不自由なユーザーをサポートするスクリーン リーダーで画像の説明文として使用できます。
レポートに画像を表示するには、IMAGE 関数で作成した Image フィールドをレポート内の表に追加します。表示される画像のサイズは、その画像が表示される列の幅に応じて変わります。

出典:データポータルのヘルプ IMAGE
  • 構文

    • IMAGE(ImageURL,[AlternativeText])

  • パラメータ

    • ImageURL-URLとして評価されるフィールドまたは式

    • AlternativeText-(省略可)Textとして評価されるフィールドまたは式

  • IMAGE関数を用いた記述

    • IMAGE(画像格納先URL)

ディメンションに上記のIMAGE関数を用いた項目を指定して、表で見たい指標を選択すれば完了です。

画像サイズの違いを無視したクリエイティブ別レポートの作成方法

ラベル(一度入稿してアップロードした後でも自由に変更できるものであればよい)をフル活用すると、画像サイズの違いを無視したクリエイティブ別レポートの作成ができます。画像の内容は同じで画像サイズだけが違うものは、ラベルの記載内容を統一ラベル単位にすることで、他画像との成果を比較して分析することが可能となります。

旧データポータルからLooker Studioに代わった話

2022年10月11日に旧データポータルからLooker Studioに変更されました。これは、Google社がLooker社を26億ドルで買収したことによるものです。

参考:データポータルのヘルプ リリースノート(2022 年) Looker Studio の新機能、ITmediaNEWS「Google Cloud、ビッグデータ分析のLookerを26億ドルで買収」(2023年1月6日閲覧)

この買収とLooker Studioへの変更の理由として、以下の2つの理由があるのではないかと教えていただきました。

  1. アナリティクスの領域において強みのあるGoogle社は、Google関連サービスや外部の様々なツールと連携し、データを集めて分析することと、利用しやすくすることを強化することに、より一層力を入れてたいと思っていること。

  2. クラウド市場の全世界市場のシェアにおいて大きく水をあけられているAWSに追いつき追い越すために、ツール同士の直接連携の障壁を壊す重要な役割を担っているLooker社の保有する技術ノウハウが必要だったこと。

Looker Studioにおける主な変更点

Looker Studioにおいての主な変更点は以下のとおりです。

  1. Looker StudioPro(有償版)が登場

※参考サイト:Looker Studio Pro

2.チームワークスペースが導入

3.Looker StudioをGoogleCloudプロジェクトにリンク可能
レポートやデータソースの管理をチーム単位で管理することで、仮にレポートやデータソースのオーナーが退職した場合でも、比較的簡単に対処ができるようになるようです。

4.Pro版でカスタマーサポートの開始
これまではレポートで実現したいことやエラーに関する不明点については、ヘルプを参照するかコミュニティに問い合わせることしかできず、Googleのサポート対象外でした。Pro版ではサポート対象になりました。

今後のリリース予定(2022年11月30日時点)

各種連携強化(Looker Studioを以下に簡単に組み込む(直接参照する)ことが可能

  • Googleチャット

  • Googleスライド

  • Googleドキュメント

  • Gmail

参考サイト:

おわりに

日々の業務に活かせたり、アンテナを張って社会の流れを知ることができたり、とても素晴らしい回ばかりでした。これからのアタラ道場も楽しみです。

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