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Domo民主化の事例共有、ブランディングキャンペーンのKPI策定:ナレッジハイライト2021年1月号

※この記事は2021年2月25日に公開した記事の再掲です。

こんにちは。アタラ合同会社マーケティングコンサルタントチームの田畑佳苗です。

アタラでは、毎週「アタラ道場」という勉強会を開催しています。この勉強会は、媒体のアップデートについての共有や、昨今のマーケティングトレンドに留まらず、メンバーそれぞれの強みを活かしたナレッジの共有を、毎回一人のコンサルタントが「師範」として持ち回りで行い、その内容は必ず録画されています。私も入社当初は先輩方の動画に何度も助けられました。このように、新メンバーも過去の叡智を参考に独学できる体制が作られています。

私事で恐縮ですが、このアタラ道場という勉強会とその動画を参考にできる状況が、とても魅力的だったことがアタラを志望した動機のうちの一つでした。自分が師範になる時は、緊張から震えが止まりませんが、師範となってもリスナーとなっても学びの多い会なので、もし「こんな勉強会参加したい!」と思ってくださったら幸いです。

前置きが長くなりましたが、今回は2021年1月に行われたアタラ道場の内容をシェアいたします。

◇Domo民主化の事例共有

https://www.facebook.com/atarajp/posts/3733641650027928

この回は村田師範による「Domoを活用したデータ民主化の取り組みについて」でした。なんとこの村田師範は2021年に入社されたばかりなのですが、入社早々に師範に挑戦してくださいました。事業主として働いていた前職では、Domoを利用したデータ活用・民主化への取り組みを推進していたそうで、その経験のシェアしてくださっています。

データの民主化プロジェクトが発足された背景として、前職の事業において、データが一元化されていない状態や、すぐに使えない状態が挙げられていました。例えば、データの質がデリケートだったり、データの量が多すぎたりしていて、さらに各データの在り処が不明だったり、人によって参照しているデータが違ったりしていたそうです。

具体的には社内に散在していたデータを以下のように民主化したいという想いがあったそうです。
・全員が参照する元データを一元化したい
・散在している各実績を一箇所に集めたい
・手作業を自動化したい
・テーブルではなく、わかりやすいビジュアルで「すぐわかる、すぐできる」を実現させたい
これらを解決するべく、村田師範はデータの民主化プロジェクトを発足させました。

また、データの管理が部署や個人ごとに違っていたため、同じようなデータの亜種が大量発生していたそうです。

これによりデータの共有漏れや手作業が多発し、部署をまたいだ連携を阻害したり、意思決定に重大な影響を与えていたりしたと言います。

村田師範はデータの民主化プロジェクトのメンバーとしてトライアンドエラーを繰り返すうちに、データを社員みんなのものにするためのステップは、3つの段階に分けられることを発見したそうです。

① あつめる・ととのえる
まずは散在していたデータをDomoに集約し、個々人がExcelなどで作成していたデータを自動化できるよう整えていったのが第1段階です。この結果、人為的集計ミスがなくなり、人数累計で月180時間の工数削減に成功したそうです。

② つくる
ユーザーが実際に扱うものを作る第2段階では、特定の部署にてスモールスタートでのダッシュボード化を行ったそうです。その事例を意思決定権をもつ人に見せたことで反響を呼び、Domoという新しいツールを扱う意義が浸透したそうです。

③ ひろげる・つなげる
第3段階、すなわち広げる段階では、管理部門向けから始まったダッシュボード作成を全社に展開させていきました。結果、振り返りから打ち手を打つまでが高速化し、話し合いの場でも定量的な交渉や議論が行えるようになったそうです。

また、Domoでのデータ活用を隅々まで行き渡らせるためには、関係する担当者にはある程度Domoを扱ってもらう必要がありました。そのための勉強会には苦心したとのことです。

まず座学形式での勉強会を行ったところ、これは失敗に終わったそうです。その理由は、「必要なときに知る」という状況でない限り、結局覚えておくことはできないからでした。そこで各部署にキーパーソンを配置し、自身でダッシュボードを作れるようになるまで週1で定例会を行ったそうです。その際、マニュアルや入門書類を拡充させたり、チャットグループによる情報交換や過去のQ&Aの検索も可能にしたことにより、必要なときに必要な情報にアクセスできるようになり、各自でダッシュボードが作れるようになったとのことです。

ここまでが、これまで行ってきたことのまとめですが、村田師範はアタラ入社後、奇しくもこれまで行ってきたプロジェクトの3段階は、Domoが提唱するデータ変革の流れとほぼ一致していたことに気が付きました。この事実には、ビジネスダッシュボードの構築支援をする弊社のデータイノベーションコンサルティングチームのメンバー達が膝を打ち、「美しい流れだ」と感動していました。

【しびれたポイント】

  1. トライアンドエラーの末に行ってきたことが、結果的に成功するとされる勝ちパターンになっていたこと

  2. 失敗から学び、どうすれば各メンバーに自立して使ってもらえるようになるか、についての答えを出せたこと

今回の道場は、エンドユーザーとしての知見、Domoをソリューションとして提供する側の知見のどちらも持っている村田師範だからこその意見を聞ける貴重な機会になりました。

◇ブランディングキャンペーンのKPI策定

https://business.facebook.com/atarajp/posts/3771844829540943

この回は中川師範による「ブランディングキャンペーンのKPI策定」についてでした。過去に中川師範が担当していたプロジェクトで、KPI設定などの知見がない事業者様に、KPI設計の考え方をレクチャーし、共にKPI設計を行い、結果の分析までを行った事例をシェアしてくださいました。

この道場で事例として上げられていたプロジェクトは、ブランド認知向上のためのKPI策定をメインとしたものでした。

まず、中川師範は担当プロジェクトの事業主様に「KPI策定=戦略を立てること」であり、戦略とは「何をするかではなく"何をしないか"を決めることで組み立てること」であると説明し、最終ゴールにインパクトを与えられる領域や資源に対して、人的リソースを集中させる必要があると説きました。

次に、最終的なゴールから分解し、変数にわけ、事業主様が掲げている目標が最終ゴールから逆算してどこに位置するものなのかを明らかにし、目的に対して有効だと思われる施策を可能な限り洗い出しました。

戦術を列挙した後、インパクトの大きさなど、複数の評価軸で戦術を評価し、現実的で優先順位を明確にした指標をKPIとして設定していったそうです。

KPI設計の際のステップをまとめると、以下の通りです。

  1. マーケティングファネルの「認知」「興味」など、それぞれの目的に応じたブランドアセット拡充と整備(保有している全てのコンテンツの把握と使用可否を確認)

  2. 周辺情報構造の整理(各アセットの役割や立ち位置、フォーマットや要件を確認し、致命的な不足がないか確認)

  3.  戦術の洗い出し(確認したアセットの中で、「認知」や「興味」などを定義し、実行可能な手段を洗い出して選択を洗い出して選択)

  4. 仮説の立案と検証(定めた手段・戦術が目的に対して有効なのか、他の選択肢はあるのかを検証し、精緻化する)

  5. 優先順位付け(仮説によるシミュレーションをもってKPIの優先順位付けを行う。複数指標がある中でも必ず、最優先事項と第二優先事項を決める)

実際にKPIを事業主様と作成した際に気をつけていたことは「何を持って認知とするのかを明確化すること」だったそうです。そしてカスタマージャーニーとKPIを紐付けしてき、施策実行後どうなったのかを検証したそうです。

【しびれたポイント】

  1. ブランディング施策のKPI設定において、何をゴールとしているか、ブランディングとして適切なKPIを事業主様と設定していたこと
    ブランディングといえど、ついわかりやすい「売上」との関連性はあるのかを知りたいのが事業主様としての宿命のようなものだと思うのですが、認知向上が目的である以上、売上を評価指標に入れてしまった場合、適切な評価ができず、次の施策に活かすための示唆が生まれません。適切に認知向上に寄与した施策を判断するためのKPIとその評価を行う必要があることを共通認識として持ち、軸のぶれないコンサルティングを行っていたことは非常に参考になりました。

  2.   KPI設計のステップの無駄の無さとわかりやすさ
    実際のスライドをお見せできないことが残念なほど、美しくまとめられたKPI設計ステップを見て、改めてKPI設計において必要なことが再確認できました。

  3.  列挙した戦術の評価軸を共通認識できるようにしていたこと
    施策が目的に対して有効かどうかの評価や、施策完了後の評価軸などを予め共通認識として持てている状態にされていることに感動しました。私事ですが、私は社会人大学でクリティカルシンキングを学んだ際、課題のブレイクダウンや、課題解決のための施策を立てることの重要性を理解しつつ、実践することがいかに難しいかを学びました。中川師範のKPI策定のプロセスはクリティカルシンキングのお手本のような美しい流れで、さらに実践で完璧に行われていたので、思わず拝んでしまいました。

この回は、中川師範のコンサルタントとしての働きかけに、参加メンバーそれぞれが感嘆し、更にそれぞれの実体験のシェアも行われ、より学びが深まった道場でした。

◇まとめ

今回ご紹介した回以外にも、アタラ道場では様々な取り組みを行っています。ハイライトとしてはお伝えできないものの、弊社では「組み手」という弊社取り扱い案件をコンサルタントメンバー全員で分析し、改善提案を行う会もあります。自分だけで運用していたら気付けなかった改善点や、各コンサルタントの強みを活かしたアドバイスによって、運用の改善に役立っています。

また道場やその延長戦でも、様々な勉強会が行われています。1月はTableauのハンズオントレーニングが延長戦として行われ、Tableauを扱っているコンサルタントに実践的な扱い方を学び、分析方法や定例資料用のダッシュボードのブラッシュアップに役立ちました。

アタラでは学びと実践、そしてその経験のシェアに重きを置いており、道場などの勉強会を通して各コンサルタントは刺激を受け、日々自分を磨く糧としています。

私も勉強会の後は、新たなことを学んだ刺激によって、益々やる気が出ています。勉強会があることによって、自分に足りない知識を再確認でき、「この情報が喜ばれるなら、次回の道場ではこんな内容をシェアしよう。そのためにももっと知識のブラッシュアップを図ろう」と自ら学ぶサイクルに拍車をかけてもらえます。

知識欲が旺盛で、もっと自分の能力を上げていきたいという方には、きっと理想的な環境だと思います。もし少しでも興味があれば、一緒に知見を共有しあいましょう。

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