データ活用のプロが本気を出してLooker Studio(旧 Googleデータポータル)で家計簿作ってみた:第3回
こんにちは、アタラ合同会社コンサルタントの川田貴俊です。
第1回、第2回の記事で、我が家の家計簿をExcelからGoogleデータポータル(以下、GDP※)に作り変えた結果の概略と、その際のポイント2つ目までを記載しました。
※2022年10月に名称がLooker Studioに変更されました。
Before→After
1. 気になる指標をグラフ化して並べていた
→ KPIとKGIを設定し、見るべき数字を見やすい位置に配置
2.明細と集計を月ごとにシートで分けていた
→ 明細は一か所に集約し、月ごとの集計はフィルタで切り替え
第3回目の今回は変化の3点目
3. 1ヶ月ごとの集計値しか見られない
→主要項目について年間での累積値を出し、
昨年対比を見られるようにした
と、ダッシュボード全体の構成について説明します。
目標達成のための注力ポイントを定める
家計簿に限った話でないですが、目標に向かって様々な行動を起こしていくとき、
自分が影響を及ぼせるポイントはどこか
その影響の大小はどの程度か
その実現の難易度はどうか
を考える必要があります。
ポイント1,2をダッシュボードに組み込むことで、
どこを目指すかというゴール(KGI、KPI)
どれだけ進んでいるかを確認するためのメーター(ダッシュボード)
は手に入ったのですが、
どこに注力して実現するべきかの作戦
がない状態でした。
我が家の過去を振り返りながら上記を考えると、
食べることが好きなので、食費を抑えるのは辛い
気を抜くとプチ贅沢をしがち
ということに気付いたので、「ちょっと我慢しただけでストレスがたまる食費は昨年と同じぐらいならOK、その代わり変動費は少し厳しめに見よう」ということしました。
そのために追加したグラフが下記です。
左のグラフは食費の当年実績(緑のライン)と、その昨年実績の累積(グレーのライン)、右のグラフは変動費の当年実績(水色のライン)と、その昨年実績の累積(グレーのライン)となっています。
比較対象を作ることで、注力ポイントの判断基準を設ける
上のグラフには比較対象として、グレーのラインを昨年実績として入れています。
人の認知は何かと比較することでそのものの特徴を解像度高く理解できるという特性を利用して、実績の良し悪しを一目で分かるようにしたかったためです。
注力するポイントを決めても、それを見てどう判断するかを考えていないというケースは意外とあります。
そうならないように、分かりやすい基準をセットで用意しておくことはデータを可視化する上での大事なポイントです。
木も森も見ることで、経済的にも精神的にも健康な家計管理を行う
ここまででポイント1~3についてそれぞれ解説してきました。
気になる指標をグラフ化して並べていた
→KPIとKGIを設定し、見るべき数字を見やすい位置に配置明細と集計を月ごとにシートで分けていた
→明細は一か所に集約し、月ごとの集計はフィルタで切り替え1ヶ月ごとの集計値しか見られない
→主要項目について年間での累積値を出し、
昨年対比を見られるようにした
ここで一度、全体像=ダッシュボードの構成について触れてみたいと思います。
ポイント1で記載した通り、我が家の家計では
KGI:年間の貯蓄額
KPI:月間の貯蓄額
と設定しています。
日次でダッシュボードをモニタリングすることはKPIに直接つながりますが、KGIである年間の目標へはすぐにはつながりません。
そのギャップを埋めるための工夫として、作成したダッシュボードは
上部:当月の収支状況 (日次×詳細、 ポイント1,2)
下部:月次の推移 (月次×サマリ ポイント3)
という構成にしています。
このような構成にすることで、日々では上部の日次×詳細パートでモニタリングを行い(木を見る)、折に触れて下部の月次×サマリパートを見ることで、大きな視点で道を外れていないかを確認するようにしています(森を見る)。
日々の数字の動きを意識することはもちろん大切ですが、年間のゴールも要所要所で見るという「木も見て森も見る」をしやすい構成にしているということですね。
何でもかんでも情報を1つの場所に集約すればよいというわけではなく、見る人(この場合は自分ですが)に合わせた適切な量・質・配置を考えストーリーを作りこむことが、「アクショナブルなダッシュボード」の実現につながります。
ここまで、我が家の家計簿GDP化の概略について書いてきました。
当初予定していた内容は書けたので一区切りとなりますが、別の視点で記事にまとめられればまたご紹介したいなと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました。