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「日本の広告費」をBIツールで可視化してみた

こんにちは。アタラ合同会社コンサルタントの伊藤梓です。

アタラは デジタルマーケティングおよびデータ活用・可視化の自走化を実現するコンサルティングとツールを提供しています。
その中で私は組織の意思決定のためのデータ活用の自走化を支援する、データイノベーションコンサルティングチームに属しています。

お恥ずかしながら、マーケティングに関しては完全に素人で、ただいま勉強中です。
そんな私が、電通の調査レポート「日本の広告費」をBIツールで可視化して、国内の広告市場を少しでも理解してみようと思います。

マーケティング素人でも理解しやすいようにグラフの選び方を工夫したので、そういった観点でも読んでいただけたら幸いです。

1.準備

まず可視化するために、DomoというBIツールを活用します。

BIツールとは、データを分かりやすく可視化して意思決定を助けるツールです。
ほとんどのBIツールは使いこなすために習熟が必要ですが、Domoはグラフのテンプレートが豊富にあり比較的容易に使うことができるツールです。

本記事内ではDomoで可視化したグラフをいくつか載せています。
ただの画像と違い、カーソルを合わせたり、タップすると一部のグラフが強調されたり、数値が表示されます。
ぜひ触ってみてください。

可視化するデータは、電通ウェブサイトのKnowledge&Dataで公表している「日本の広告費」の2004年から2021年分を参照しています。

2.日本の広告費推移

「日本の広告費」と一言で表現しましたが、いろいろな切り口があるかと思います。
今回は媒体別の推移という観点で読み解いていきます。

まずは全体感を把握するために「積上げ面グラフ」で可視化します。
「積上げ面グラフ」は合計値の推移、構成要素ごとの推移が把握できるグラフです。

このグラフを見ると、日本の広告費は2009年に一度ぐっと下がったところから、2019年までずっと右肩上がりで成長しています。
2020年に新型コロナウイルス感染症の影響でガクッと下がっていますが、昨年の2021年には大きく巻き返していることが分かります。
媒体別に見ると、緑色で表示しているインターネット広告費が年々成長していて、広告費全体の成長と巻き返しを支えているように見えます。

3.日本の広告費の媒体別推移

次に、媒体ごとの推移を「ロリポップチャート」で可視化します。
「ロリポップチャート」は棒グラフの先端に円をつけた、飴ちゃん(ロリポップ)みたいなかわいいグラフです。
「ロリポップチャート」の利点は、棒グラフ的な見方と折れ線グラフ的な見方の両方ができる点です。
今回の例では、媒体別の推移を把握するために折れ線グラフ的な見方を、各年での媒体比較を把握するために棒グラフ的な見方をしたいので、このグラフを選択しました。

広告費の媒体別推移グラフからは、インターネット広告費の成長が凄まじいことが分かります。
先ほど、広告費全体の推移を見たときには、2009年・2020年にガクッと下がっていましたが、インターネット広告費だけに着目すると盛り下がりは一切見られません。
それどころか、2020年にはプロモーションメディア広告を、2021年にはマスコミ四媒体広告を上回っています。
この2つの媒体の広告費は長い目で見るとむしろ縮小傾向にあるようです。

これは、プロモーションメディアよりもマスコミ四媒体よりも、インターネット広告の方が人の目に触れやすくなってきたからなのでしょう。
10年、20年前の「商品の宣伝といえばテレビ」だった時代から、大きく変わってきていますね。

4.インターネット広告費の内訳

凄まじい成長を見せ続けるインターネット広告費の内訳を「積上げ棒グラフ」で可視化します。
「積上げ棒グラフ」では合計値の推移や、各要素の構成比の推移などが把握できます。
……それって2つ前の「積上げ面グラフ」でも同じなのでは?と思った方がいるかもしれません。
確かに「積上げ面グラフ」でも同様の情報を把握することができます。
しかし今回は、インターネット広告費の拡大に伴い、期間途中に構成要素の変化が見られます。
このようにグラフの構成要素が途中で変わる場合では、「積上げ面グラフ」は見づらくなるので、「積上げ棒グラフ」で可視化しています。

インターネット広告費の内訳グラフを見て分かることは、媒体費の成長率の凄さです。2021年の媒体費は2兆1,571億円で、前年の1兆7,567億円と比べると122.8%も成長しています。
もう一つの着眼点として、2019年から新しい構成要素の「物流系ECプラットフォーム広告費※」が加わりました。
2021年の物流系ECプラットフォーム広告費は1,631億円で、前年の1,321億円と比較して123.4%の成長率となっています。
規模はまだ小さいものの、成長率は媒体費よりもやや上回っていますね。
今後も加速的に成長していくと予想できます。

※物販系ECプラットフォーム広告費とは…生活家電・雑貨、書籍、衣類、事務用品などの物品販売を行うECプラットフォーム上において、当該プラットフォームへ”出店”を行っている事業者が当該プラットフォーム内へ投下した広告費と定義。より広い意味での「EC領域での販売促進を図るインターネット広告費」全体を指すわけではない。

(電通ウェブサイトより)

さいごに

いかがでしたか?
本記事では日本の広告費をBIツールを使って可視化し、読み解いてみました。
マーケティングの専門家ではなくても、データを可視化することで理解しやすくなったと感じていただけたら幸いです。

日本の広告費をプロの目線で詳しく解説してほしい!という方は、アタラメンバーによるYouTube Live「ATARAランチタイムLive」の第1回で解説していますので、アーカイブから閲覧してみてください。

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