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BIツールを選ぶ前に実施しておきたい4つのポイント

こんにちは。アタラ合同会社コンサルタントの澤田です。

データの可視化をして、今ある課題を見つけ出したい・解決したい、もしくはExcel管理に疲弊して自動化できるツールを導入したいなど、自社や自部署にBIツールを導入しようと考えている方たちは、まず最初に何をすべきでしょうか?
導入すべきBIツールはどれが良いのか―Tableau?Looker Studio?それとも別の何か?―悩みつつ、それぞれのツールの料金や、習熟のための難度、使い勝手などの評判を調べたりしながら、選定作業を進める方が多いと思われます。

まずはデータの整理が重要

さまざまな社内的要因などによって、個々の事情は異なってきますので、これが常に最善の答えというわけではありませんが、まずは、大雑把で構わないのでデータの整理から始めることをお薦めします。

ちなみに、予算ゼロ・費用は極力発生させたくないという方は、Looker Studio一択になるのかなと思いますし、前置きは良いので手っ取り早く試したいという方はLooker StudioかTableauの無料トライアルを利用してみるのが良いと思います。また、既にBIツールを使っている部署がありアカウントが余っている場合や、BIツールでの業務経験者がいる場合は、そのツールを使うのが最善となる場合もあります。
ツールを試用してみる場合でも、利用するデータについてある程度の確認・把握しておく必要はありますので、程度の差こそあれデータ整理を行うことは重要な作業になります。

今回は、そうしたデータ整理を含め、BIツールを選ぶ前に実施しておきたい4つのポイントをご紹介します。

1. 導入の目的を明確にする
 ~そもそも、何をしたいのか~

BIツールを導入しようと思い立ったキッカケは何でしょうか?
現在の数値管理を自動化したい、グラフ化して現状把握を簡単にしたい、いろいろな分析を行えるようにしたいなど、さまざまかとは思いますが、そこから更に深掘りしてみましょう。

自動化する、現状把握をする、分析するのがゴールではなく、その上で達成したい何かがあるかと思います。きっと、売上向上やコスト削減など、より本質的な目的に繋がるのではないでしょうか?
この作業は「要件定義」に当たります。なお、既に明確な目的を持っている方は読み飛ばしてしまって構いません。

漠然と持っているゴールのイメージをより明確にすることで、どんなグラフ(棒グラフ、折れ線グラフ、ヒートマップ、散布図など)が適しているか、どんなデータが必要となるか、誰を・どの部署をターゲットとすべきかなど、BIツール導入のための調査すべき項目や、社内・社外の人への相談内容がより具体的になり、BIツール導入に向けた準備の方向づけができることになります。

2. 社内データの整理
 ~使っているシステム≠使えるデータ~

要件定義を行うことで必要なデータが何であるかがある程度明確になったら、次は、そのデータがどこから取得できるのか、取得可能だった場合、加工などは必要なくそのまま使用できるのか確認する必要があります。

使用しているシステムのデータを取得したり、社内で整形/集計したExcelやスプレッドシートなどを元データとして利用するのが一般的ですが、どんなシステムでもデータを取得できるとは限りません。
現状、システムからデータをダウンロードして使用している場合でも、手動ダウンロードは可でも自動エクスポートや他システムとの連携が不可だったり、BIツールによっては直接連携できなかったり、簡単には利用できないケースがあります。

データ取得は基本的に、(人力でExcel等の整形/集計を行うのも含め)手動を避け、自動化することが望ましいです。これは作業漏れ、更新漏れや集計ミスなどを防ぎ、データの鮮度と確実性を高めるためです。

したがって、

  • 使用したいシステムデータがBIツールで連携できるか

  • 連携できずともシステム側で自動エクスポート可能なのか

  • APIで取得するのか

  • 全く取得できる余地がないのか

について事前に確認する必要があります。

BIツールと直接連携できない場合でも、例えば、システム側はGoogle BigQueryへエクスポートが可能で、BIツールはGoogle BigQueryと連携可能といったケースもあります。そのため、周辺環境を含めた連携の実現可否には、社内のシステム部の方と相談したり、もしくは社外のシステム会社やBIコンサル(弊社のような!)に相談しながら調査を進める方が良い場合もあります。

必要なデータの整理とは別に、その範囲から漏れたデータについても、必ずしも不必要なデータであるというわけではありません。
その他のデータについても整理を進めてみたり、他部署で使っているシステムやデータについても一度ヒアリングをしてみることで、今必要としているデータとかけあわせて、より深い分析ができるようになるかもしれません。
全てを同時進行で行うには時間がかかりすぎてしまうので、段階を経て少しずつ範囲を広げていくのが良いかと思います。

簡単に取り込めそうだからと、無目的に色んなデータを詰め込んでも、結局は使わないままリソースだけを消費するというケースはあるあるだったりします。
R&D(研究開発)として多角的にいろいろなデータを組み合わせて試行してみたい場合でも、暫定的に取り込んだデータは後で削除できるよう把握しておきましょう。

3. アクセス権限に注意を払う
 ~把握していないデータが散在してる場合あり~

前章の確認作業時に気をつけるべきことでもありますが、各データは全社員が見れるものもあれば、一部の人にしか見られないものが存在する場合があります。
自分の見えているデータは共有して良いものなのか改めて確認するようにしましょう。

また、自分はアクセスできずとも、他ユーザーがアクセスできるシステムデータの中には、とりあえず限定的なアクセス権限を付けているだけで、共有可能なデータが存在する場合もあります
自分が閲覧できるデータについては、他者が閲覧できて良いものかを確認する必要があります。また、自分が閲覧できていないデータも存在するという前提に立って、社内データを調査する必要があります。

全社のデータを洗い出してみる際には、自部署だけでは把握できないデータも存在しうるため、色んな部署や職階の人に協力を仰ぐようにしましょう。
もしかしたら、今まで気づいていなかった有用なデータが見つかるかもしれません。

4. ステークホルダーの確認
 ~誰が作るのか・誰が使うのか~

BIツールでグラフなどダッシュボードを作成する人たちが予め決まっていて、すでに特定のBIツールの経験がある場合も考えられます。その人たちの習熟度によっては、そのBIツールを導入した方が、教育コストや実運用までのスピードを考えるとメリットが大きい場合があります。

また、日常的にダッシュボードを作成することになる場合、その人たちが扱いやすいと思える・利用したいと思えるかどうかも選定要因の一つとなりえますし、作成されたダッシュボードを利用する人たちの操作性や視認性などの印象が重要になる場合もあります。
機能的な面のみに囚われず、実際に扱う人たちの考えも参考にしましょう。

最後に

ここまでは、BIツール選定のためのポイントを上げてきましたが、そもそも、BIツール導入のための予算が限定的であったり、もしくは、ほぼゼロという場合はLooker Studioが第1候補に挙がりますし、Microsoft 365導入の会社であればPower BIを導入するのがコストメリットが高いといえるでしょう。
自社で導入する場合はどのBIツールにもそこまで差を感じないから、シェア1位を選ぶということなら(やや乱暴な意思決定ですが)Tableauが候補となります。

社内を取り巻くデータ環境や人的環境等は会社によって千差万別なため、何が最も適したBIツールなのかはその会社によって変わってきます。
具体的なBIツール選定の前に、まずは上記のポイントの整理から始めてみることで、より自社に適したBIツール選定の参考としてみてください。

ちなみに、弊社では各BIツールの特徴を記載した記事も掲載していますので、併せてご覧いただき、BIツール選定の一助としていただければ幸いです。


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