Domoの営業活用事例、プログマティック広告最前線:ナレッジハイライト2022年7月号
アタラ合同会社マーケティングコンサルティングチームの箕浦弘騎です。
今回は2022年6月に実施した「アタラ道場」を振り返ります。
◇プログラマティック広告最前線
この回は小湾師範による、「プログラマティック広告最前線」についての講義でした。
これまでの経験で培ったプログラマティック広告の事例についてお話いただきましたのでさっそく振り返ります。
●プログラマティック広告とは
定義:データに基づき、プラットフォームを介して自動で売買される広告
●プログラマティック広告の担い手
DSP(広告枠の買い付けを行うプラットフォーム):Criteo、Googleディスプレイ&ビデオ360,etc.
SSP(広告枠を提供するプラットフォーム):YieldOne、OpenX,etc.
Measurement(広告の効果計測ツール):アドエビス、ウェブアンテナ,etc.
Brand Safety(不適切なサイト等、広告主が意図しない広告枠に広告が掲載されることを未然に防ぐ、またきちんと広告が視認される箇所に配信されているか確認できるテクノロジーを提供):Integral Ad Science (IAS)、DoubleVerify,etc.
Data(広告枠への買い付けを行う際に使用するデータを提供):Treasure Data、ORACLE,etc.
●プログラマティック広告の担い手を活用した事例
SSPを活用した事例
クライアント:ファッションブランド
目的:ファッション感度の高いユーザーの認知
課題:雑誌メディアに配信したいが、純広告は既に埋まっている状態
解決策:各SSP事業者に対して、彼らが保有する複数社のファッションメディアの純広告枠を特別在庫としてPMP(注1)を組んでもらうよう依頼。DSPで買付けを行う際は、年齢層や世帯年収、クレジットカードデータの購入傾向を使用し、厳選した買付けを実施。結果、配信ボリュームは少量だがCTRが高く、サイトへの滞在時間も長く濃いユーザーの認知を獲得した。
(注1)PMP:Private Market Place の略。限られた広告枠と広告主が参加して取引を行う市場。広告主は品質や透明性の高い広告枠に広告配信が可能。在庫予約ができる場合もある。
Brand Safetyを活用した事例
クライアント:化粧品メーカー
目的:SNS広告の効果改善
課題:SNSはブランド毀損のリスクが低いが、本当に見られているのか疑問
解決策:IAS でFacebook、Instagramの各配置の視認性を調査。同じクリエイティブでもフィード面は視認率が低い傾向にあった。特に動画は視認率が低い傾向にあったため動画構成を変更(冒頭2秒以内にインパクトのある表現を入れる構成に)。
結果:視認率が大きく改善。フィード、ストーリーズそれぞれの勝ちパターンを発見でき、満足いく結果となった。
◇Domo活用事例 〜とある人材派遣会社の営業統括部門〜
この回は川田師範による、「Domo活用事例 〜とある人材派遣会社の営業統括部門〜」についての講義でした。
川田師範が前職で在籍していた営業統括組織でのDomoを使ったデータ活用事例、データ活用支援の中で気付いた学びについてお話いただきました。
●前職在籍時のDomo活用前の全般的な課題
企業やそこに集まるデータの規模が非常に大きく、様々なデータが各部署に散在していたため、会議前にそれらを集計しても、そもそも資料の数値が合わず、話が進まないということもしばしばだった。
●川田師範のDomo活用事例
営業行動日報への活用
営業行動日報とは
確度の高い顧客に優先順位をつけたうえで対応できているのかを日単位で集計したもの。Domo活用前
Accessを使用して手動でSalesforce内の一部(行数は10万行)のデータを集計していた。時間は3時間もかかっていた。Domo活用後
集計が自動化したことで、扱えるデータの数が10万行→2,000万行に増えたにもかかわらず、最終的なアウトプット作成にかかる時間を3時間→30分に大幅削減することができた。
また各部署のデータ集計や加工は部署内で行っていたが、外の部署にデータを預けてもしっかり集計や加工ができるようになった。その結果、データを他部署に預けても十分それらを活用できるという認識に変わり、社内のDX化が促進する大きなきっかけとなった。
テリトリ表自動適用への活用
テリトリ表とは
どの営業担当がどこの企業を担当しているのかをまとめたデータDomo活用前
営業担当が変更するたびにExcelを用いて手動集計していた。数万~数十万のデータを変更することになり、負担が重く、定期更新が確実に実行されてはいなかった。Domo活用後
Domo内でデータを自動で加工することができるようになり、大量データの更新が実現した。それにより更新頻度がQ→月に上がったにもかかわらず、営業現場の負担が削減された。
◇おわりに
クライアントの望む成果をもたらすために、いかに良質な広告枠やオーディエンスへの配信を行うか、また社内のデータ活用の課題に対して、ともに社外のツール(サービス)を用いて積極的かつ地道に努力し、確実に成果をもたらしたということが伝わる事例を紹介いただきました。
アタラにはこうした事例をナレッジとして共有する機会が非常に多くあります。今回の投稿を通じて少しでも興味を持っていただけるとうれしいです。
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