カスタマーサービスに重要な3つのデータとBIツールでの統合・可視化方法とは?:Domopalooza 2021イベントレポート
◇カスタマーサービスで重要な3つのデータ
アタラで、BIツール/ダッシュボード構築支援コンサルティングを行っている阿部です。
2021年3月25日に、Domo主催のイベント「Domopalooza 2021」が実施され、新機能のリリースや、ユースケースの紹介などがされました。本記事では、同イベント内で特に僕が興味を持ったセッション「Finding the Voice of the Customer Through Integrated Datasets」の概要をご紹介します。
本セッションで登壇した、Disney Streamingでビジネスアナリストとして働くSierra Duncanさんによると、ビジネスを前進させるのに必要不可欠なデータポイントを欠かさないためにも、統合したデータセットを通じて「顧客の声を理解すること」が大切とのことです。
セッション冒頭では、顧客の声を理解する上で欠かせない3つの主なカスタマーサービスのデータについて紹介していました。
1つ目は「CRM Data」です。こちらのデータからは特徴や問題点など顧客体験のインサイトを読み取ることができます。顧客体験において、どこに問題があるのかを把握できるのは非常に強力です。
2つ目は「Social Listening」です。顧客体験は直接我々に届くよりもSNSなどに出回る場合の方が多いです。昨今のSNSはビジネスにも大きな影響を与えることが多々あり、こちらも顧客の声が集まるとても貴重な情報源です。
3つ目は「Customer Feedback」です。こちらは直接我々に届くデータですが、ソーシャルのデータと併せることでさらに価値のあるものになります。また他の新たな問題点への気付きとなるケースも多いため、積極的に活用することがおすすめされていました。
これらのデータを1つに集約することで、複数のチームが顧客の声の全体像を把握することができます。
◇データ統合時に発生する問題点
次にデータ統合時によくぶつかる問題が3点挙げられていました。
1つ目は「複数の、フォーマットが全く異なるデータをどのように統合するか?」です。
こちらはデータ統合を考慮する際に起こる問題ですが、慎重かつ計画的に設計することで解決できます。
2つ目は「よく変わるデータのスケールをどう設計するのか?」です。Duncan氏によると、データの修正や更新の必要性を考慮して、時間をかけて設計したほうが良いとのことでした。接続が不安定で使いにくいデータになってしまうのを避けるためにも、スケールの設計はとても重要です。
3つ目は「利用者が本当に使えるデータセットとは?」です。データ統合の目的は、1つのソースが正になることです。つまり最終的にマーケティングやカスタマーサービスなど複数のチームが、より速くより簡潔に、同じ実データから同じインサイトを得ることです。
◇最終的に必要な指標
続いて、先ほどの3つのデータから最終的に必要な指標が整理されました。
◇データ統合時のフォーマット上の問題点と解決策
続いて、実際にデータを統合する際のフォーマットの問題点(複数のフォーマットが異なるデータをどのように統合するか?)が3点挙げられました。
1つ目は「One to Many Ratios(1対多の関係)」です。例えばCRM Dataの各レコードに、顧客一人ひとりのデータが入っていて、そこまで細かい粒度のデータは必要ない場合、必要な粒度に整形して集計する必要があります。
2つ目は「Countries/Country Codes(国名や国コード)」です。国を表す項目に入っている値が、国名であったり国コードであったりとデータセット毎に異なることがあります。2つ目は「Countries/Country Codes(国名や国コード)」です。国を表す項目に入っている値が、国名であったり国コードであったりとデータセット毎に異なることがあります。
3つ目は「Naming Conventions(命名規則)」です。2つ目の問題点の解決にもつながりますが、突合時に命名規則を定めて、フォーマットを統一することで表記のゆれなどを解決できます。
最後に、実際にDomoのMagic ETLの機能を使い、これらの問題点を解決しながらデータを統合する方法が解説されました。
こちらのETLでは既存データと新規のデータを突合していますが、新規データの更新分レコードだけ既存データと置き換えるため、2つのデータの全てのレコードは必要ありません。処理の詳細は省きますが、大まかな手順は以下の通りです。
Excelなどでこれらの処理を一つずつ行おうとすると非常に困難です。Domo Magic ETLではこれらの問題を解決し、さらに適時処理を修正できるのでスケールの調整も容易です。
続いてのETLではテキストフォーマットの問題を解決しています。命名規則に沿った置き換えやマスタシートの活用を促しています。
またデータセットのスケールをコントロールするためのTipsも紹介されました。
上から順に
となっています。
◇統合したデータセットの可視化
最後に統合したデータセットから作成したカードを紹介されました。
このように複数のデータを掛け合わせてビジュアライズすることで、1つのデータだけからは読み取れない発見があります。これが「顧客の声を理解する」ことにつながります。
また同じデータ、同じインサイトを複数のチームで共有することで、チーム間のコラボレーションも生まれビジネスを促進させらるという言葉でセッションが結ばれました。
僕が以前に執筆した「データ活用型組織づくりを成功させる、データのあり方のベストプラクティスまとめ」の記事でもご紹介しましたが、やはりデータのフォーマットは日頃からぜひ意識しておきたいですね!
※参考リンク:
BIツールの活用やデータ活用を推進しよう
BIツールを導入したものの、うまく活用できていない
データ活用を組織に定着させるためのノウハウがない
見るべき指標が複雑・多様化していて、どれを見ればよいのかわからない
ダッシュボード化の際、どのようなデータを取得すればいいかわからない
データがなかなか集められない
ビジネス課題解決のための指標を可視化し、すぐに判断したい
どのBIツールを選べばいいかわからない、選べない
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※本記事の内容、所属等は公開日時点のものです。