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「BIツールはいらない」と考えている方は必見!見落とされがちなBIツールの便利な機能・Excelとの違いを紹介

アタラ合同会社データコンサルタントの村田です。

突然ですが、皆さんはBIツールと聞くと、どのような機能を持っていて、どんなことができるツールだとイメージするでしょうか。

きれいな色づかいで構成されたビジネスダッシュボードを作るシステムである、というイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。

もちろんそれも正解です。ですが、それだけではないんです!

ダッシュボードやグラフでデータを可視化する機能は、“氷山の一角”とも言える最も目立つポイントですが、実は多くのBIツールはそれを下支えする機能も兼ね備えており、それらが“ひとつのシステムの中で完結すること”がBIツールの最も注目すべき点なのです。

今回は、BIツールを使用せずにデータ活用を行うシチュエーションと対比させながら、見落とされがちなBIツールの利点について紹介します。Excelでも同様のことができるのではないか?わざわざ新システムを導入するほどのメリットはないのでは?と、「BIツールはいらない」とお考えの方にも、BIツールの知られざるメリットを感じていただけるはずです。ぜひ最後まで読み進めてみてください。

旧来型データ共有の様々な問題点

はじめに、BIツールを導入していない組織でありがちなデータ共有のプロセスを考えてみます。ここでは、データソースから手動でデータをエクスポートし、そのデータを元にExcelで集計を行う、という皆さんの身近でも行なわれているであろうケースを取り上げてみましょう。

①作成・共有に手間がかかる問題

まず、Excelで集計を作成することにも手間がかかります。セルごとに値を貼り付けて集計表を完成させている場合、非常に面倒ですし操作ミスも頻繁に発生してしまいます。関数やピボットテーブルを駆使してある程度の自動化ができたとしても、最新のデータをエクスポートしてExcelに貼り付ける作業は残っているのではないでしょうか。

そして、苦労して集計レポートを完成させた後には、レポート先である閲覧ユーザーに共有する作業が必要です。多くの場合は、メールやチャットツールにファイルを添付し送付する方法がとられますが、この共有の作業も地味ですが手間のかかる作業です。

②更新する毎の再共有の問題

事業や取り組みの進捗状況の確認、いわゆるモニタリングのためのデータ集計の場合、一度の報告・共有で終わることは少なく、継続的・定期的なレポーティングが必要です。

日報の形式で毎日のレポーティングが必要な場合では、①の手順を毎日繰り返すことになります。データをエクスポートする、集計をつくる、宛先を指定して送る、という小さな作業ではありますが、毎日行う作業となるとかかる手間も無視できません。また、レポートを受け取る側の立場で考えると、毎日ファイルサイズの大きなExcelがメールフォルダの中に積み上がっていくことで、メールの容量を逼迫してしまうことにも繋がります。

③バージョン管理の問題

「データが最新化されていなかった」「集計の条件付けが間違っていた」等、毎日運用しているとどうしても些細なミスが発生してしまいます。そのような場合は、Excelファイルを修正し再共有する必要があり、ファイル名が“修正版”となった似たようなExcelファイルがさらに受信者のメールボックスに追加されることになります。

こうした状態では、最新のもの・正しいものがどれなのかがすぐにわからず、間違った内容での報告も起こってしまいます。

④データの外部流出の問題

レポートを使用・確認するのは、メールの宛先に入っている閲覧ユーザーだけではありません。レポートを受け取った閲覧ユーザーが、状況を把握させるために、関係する担当者に情報を共有することもよくあります。

その際、分析担当者から送られてきたExcelファイル添付のメールを転送することが最も簡単な共有方法です。しかし、注意を怠ると本来共有したかった相手とは別の第三者にメールを誤送信してしまう可能性もあります。

⑤管理者への過剰な負荷の問題

①~④では説明を簡略化するためにデータ取得元が一つである場合の図で紹介をしてきましたが、実際にはあらゆる種類のデータが社内には存在します。それらのデータベースを障害なく稼働させるために、多くの場合は保守運用の専任担当者が管理をしています。大企業であれば、扱うデータ取得元が数百種類になることもあり、とても大変な業務です。

そんな中、必要なデータを手に入れたいデータ分析担当者から、「○○のデータはどのシステム上にあるか?」「アクセスするためのパスワードは?」などの質問が舞い込みます。データ分析担当者はもちろん一人ではなく、また、必要なデータもさまざまなので、データ分析担当者は、膨大な問い合わせ対応に追われることになります。保守運用担当者もデータごとに異なれば、データ分析担当者は欲しいデータの保守運用担当者を探し、それぞれに問い合わせるという手間もかかります。

保守運用担当者は専念するべき保守運用業務に集中できず、分析担当者は必要なデータにアクセスする方法を毎回確認しなければなりません。保守運用と分析という双方のメイン業務から外れた確認作業に、どちらも追われることになってしまうのです。

BIツールの主要3大機能

旧来型のデータ共有の方法では、上記の通り非常に労力がかかります。

そこで、BIツールの登場です。BIツールは、これらの多くの問題を解消するための機能が備わっています。BIツールと一口に言っても様々な製品が存在し、機能には大小さまざまなの違いがあるのですが、主要な機能は以下の3つです。

データを集める(格納機能)

使用可能なデータソースを一覧表示する画面サンプル。

一つ目はデータの格納機能です。BIツール上に、それぞれのデータソースと同内容のデータを連携し、一覧表示をさせることが可能です。自動更新機能があるBIツールを使用すれば、設定されたスケジュールで読み込みを行い、常に最新の状態を保つことができます。

それだけでなく、BIツール上に格納するかしないかはデータソースごとに設定することができます。つまり、個人情報を含んでいるため使用を制限しなければいけないものや、漏れが多く完全な状態になっていないものなど、共有をするべきではないデータを意図的に伏せておくことも可能です。

データを整える(加工機能)

データ加工の編集画面のサンプル。操作パネルをドラッグ&ドロップするのみで、ノーコードでのデータ加工が可能なBIツールもあります。

二つ目はデータの加工機能です。データをグラフやダッシュボードの形式で可視化するにあたり、加工をしていないローデータがそのまま使えるケースは多くありません。

たとえば、社員コードしか入っていないデータには従業員マスターテーブルを紐づける必要がありますし、月ごとに別のテーブルに蓄積されている場合は、毎月のデータを合体させて複数月を一度に確認できるように一つのテーブルに集約しておくことが必要です。

データをより使いやすくするためのこれらの加工を、取得元のデータベース内で行うのではなく、BIツール上で行うこともできるのです。

データを見せる(可視化機能)

BIダッシュボードのサンプル。

三つ目がデータの可視化機能です。データソースを元にグラフやダッシュボードを作ることができます。

データ分析の目的は“ビジネスを改善するための打ち手のヒントを得ること”ですので、何を改善するべきかが明らかになるよう、効果的な見せ方を行うことが重要です。そのために、組み合わせるデータが一か所に集まっていること、正しく加工することが必要不可欠で、これらの手順とセットでグラフ・ダッシュボードの作成を行う必要があります。

以上の三つが、BIツールの主要な機能です。
BIツールと聞いて、真っ先にイメージされるのは可視化機能だと思いますが、そのためにはまず、使用するべきデータにすぐにアクセスでき、なおかつそのデータが正しく・最新の状態であることが必要です。

格納機能はデータベース製品やデータウェアハウス製品、加工機能はデータフロー製品、などそれぞれ専門特化したシステムを組み合わせて使用することもできます。ですがそれらの導入の手間や連携の管理コストをかけることなく、可視化までの必要工程を一つのツールの中で一気通貫に行えることが、BIツールの最大の利点なのです。

BIツールを導入すると、データ共有はどう変わるか

では、BIツールの機能を使用すると、これまでのデータ共有のあり方はどう変わるのでしょうか?
ここからは前半に紹介した旧来型のデータ共有で問題となっていた五つの課題点に照らし合わせて見ていきましょう。

①作成・共有に手間がかかる問題 → 自動連携で解消

データの自動連携機能を活用すると、データソースを常に最新の状態にしておくことが可能です。またグラフ・ダッシュボードは連携されたデータソースを元に加工・集計されるので、日々の更新作業がなくとも最新の結果が表示されます。毎日のレポート作成に必要な手作業がなく、朝出社した時にはレポートが最新化されている、という仕組みも実現可能です。

②更新する毎の再共有の問題 → URL共有のみで解消

レポート閲覧ユーザーには都度レポート送付をする必要がなくなり、共有されたダッシュボードのURLにアクセスするだけで、最新の実績集計を確認できるようになります。

「毎日〇時に更新」というスケジュールのみを知らせておけば、問い合わせの受付やデータ分析担当者からの通知を行うことなく、必要なタイミングで自由に確認することが可能になります。

③バージョン管理の問題 → 自動連携で解消

①で解説した通り、常に最新の状態で公開されるので、そもそもバージョン管理という概念がなくなります。もし仮に、「〇日時点の状態が知りたい」といった過去のデータを確認したいニーズがある場合は、加工機能やフィルター条件設定を併せて使用し、過去の実績に絞り込みをして確認することも可能です。

④データの外部流出の問題 → 権限の制限設定で解消

ダッシュボードごとに権限を付与し、特定のアカウントのみに共有することができるので、万が一部外者にURLが漏洩してしまった場合にも、レポートの中身の閲覧を防ぐことができます。

また、より厳密に管理をしたい場合は、ダッシュボードごとに制限をつけるのみでなく、IP制限を行うことでBIツールの環境自体へのアクセスを禁止することも可能です。

⑤管理者への過剰な負荷の問題 → 格納の一元化で解消

BIツール上にある必要なレポートやデータソースを一か所で管理できるようになります。データ分析担当者・閲覧ユーザーにとっては、「必要なデータはどこにあるのか?」「誰にデータ共有を頼めばいいのか?」と迷う必要がなくなり、“BIツール上に必要なものは全てある”という状態にできるのです。

また保守運用担当者にとっても、分析担当者との折衝を最小限にすることができ、本来最も重要であるデータソースの保守運用に専念することができるようになります。

おわりに

このように、BIツールを導入することで、これまでに多く見られていた非生産的な作業から開放され、よりスピーディに事業の状況を確認することが可能になります。

美しいビジュアル表現をする前工程で必要となるデータを一か所にまず“集める”ことや、 使いやすくするための“加工”も併せて行うことが、見落とされがちではありますが非常に重要なポイントなのです。
BIツールを単なる可視化ツールではなく、データ分析担当者・閲覧ユーザー・保守運用担当者にとっての共通インフラとして捉えることで、BIツールの知られざる強みを感じていただけたのではないでしょうか。

弊社ではBIツールの導入の支援の他にも、価格帯等の製品比較のご案内やトライアル利用などのサポートなど、導入前の検討段階でのご相談も承っております。

BIツールについて、「もっと詳しく知りたい」「直接相談したい」という方は、ぜひこちらよりお問い合わせください!

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